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ゴルフ

前週大会の予選落ちから一変! なぜ畑岡奈紗は“独走状態”で米ツアー6勝目を飾れたのか?

山西英希

2022.04.26

優勝トロフィーにキスする畑岡。2位に5打差の独走で今季初Vを飾った。(C)Getty Images

優勝トロフィーにキスする畑岡。2位に5打差の独走で今季初Vを飾った。(C)Getty Images

 米女子ツアー参戦6年目の畑岡奈紗が、『DIOインプラントLAオープン』で今季初勝利、ツアー通算6勝目を飾った。2位に4打差の単独首位でスタートした最終日は、序盤からロングパットを決め、後半の15番パー5ではイーグル奪取に成功。通算15アンダーまでスコアを伸ばし、2位以下に5打差をつける圧勝劇を演じ切った。

【動画】畑岡が約15メートルを沈める“スーパーイーグル”! 渾身のガッツポーズも

「リードはありましたが、このコースは挑戦的で何が起こるか分かりません。最後のパットまでしっかりと集中できたと思います」と畑岡。大量リードにも気を抜かず自分のプレーに徹したことが勝因だと語った。

 開催コースのウイルシャーCCは、西海岸特有のポアナと呼ばれる芝がグリーンに混在する。午後になるとそのポアナ芝が伸びるため、ボールの転がりに強い影響を与えるが、この日の畑岡はお構いなしにパットを入れまくる。

 イーグルを奪った15番では、約15メートルはある下りのフックラインだったが、ラインの読みとタッチが見事に調和した完ぺきな1打だった。「ポアナのグリーンは本当に難しいですが、あのイーグルのおかげでリラックスできました」と、自らのパットに合格点を与えていたほどだ。

 昨年はツアー2勝を挙げ、賞金ランキング3位となった畑岡。この大会前までの世界ランキングも12位と、実力的には今回の優勝に驚く人はいないだろう。むしろ、今季はこの大会まで8試合戦い、一度もトップ10入りがないことのほうが驚きだ。

 しかも、前週に開催された『ロッテ選手権』では今季初の予選落ちを喫している。「だからゴルフでは何が起こるか分からないんです」と本人は言うが、一番ホッとしているのは畑岡自身だろう。

 本来なら昨年の成績に満足してもいいぐらいだが、消化不良のままシーズンを終えていた。目標としていた東京五輪でメダリストになれなかったことや、『全米女子オープン』でプレーオフの末、笹生優花に敗れたことがその要因だ。

 このオフはテクニカルな部分を向上させるための練習のほか、フィジカル面やメンタル面を鍛え直したという。さらに、シーズンに入ってからもクラブを替えたり、ボールの位置を変えたりするなどの試行錯誤を続けていた。それがようやく結果につながったのだ。
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