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ゴルフ

米ツアー7試合で得られた渋野日向子の“課題と収穫”。そのプレー姿には、海外選手も「ゴルフに対する考え方が変わった」

山西英希

2022.05.17

 また、今季の渋野は、技術的なこと以上にメンタル面の成長が大きいように思える。例えば、『シェブロン選手権』でのプレーだ。

 前週の『JTBCクラシック』では、上位を狙える位置にいながら、最終日に「80」を叩いて72位タイに終わった。ある意味、最悪な状況で今季初のメジャーを迎えていたのだ。過去2度の出場では、51位タイと予選落ち。本人が「悪いイメージしかないです」と言うようにプラス材料はなかった。「ラフが長く、グリーンが硬い。メジャーだなという感じですね」と、手を焼いた過去2年の思い出が頭の中をよぎる。

 ところが、いざフタを開けてみると、2日目を終えて首位に躍り出たではないか。3日目に「77」を叩いて21位タイにまで順位を落としながらも、最終日に「66」をマークして4位タイでフィニッシュした。

「ミッションヒルズCCは米国本土で初めて臨んだ試合。1度だけでもこのコースを攻略したいと思っていたので、それができてうれしいです」と試合後に笑顔を見せた。苦手意識を克服し、スコアを叩いた後でも気持ちが切り替えられるところは精神面の強さを証明したと言える。

 さらに次戦の『ロッテ選手権』では、最終日最終組で回りながら、スコアを落とさず、首位との3打差を1打差に詰めての単独2位フィニッシュだった。20年の『全米女子オープン』では、単独首位で迎えた最終日にスコアを落とし、4位に終わっていただけに、これも成長の跡が窺える。

『ロッテ選手権』にはテレサ・ルー(台湾)も出場していたが、予選落ちをした彼女は決勝ラウンドで渋野のプレーを観戦したという。その際、「シブノが難しいピン位置でも逃げずに攻めていったことや楽しんでプレーする姿を見て、ゴルフに対する考え方が変わった」と帰国後の大会で語っていた。

 国内女子ツアー16勝の選手にでさえ、そう感じさせるのだから、ますます渋野のプレーを間近で観たくなるというもの。今回の『ブリヂストンレディスオープン』では、彼女のグリーンを狙うショットとラウンド中の表情に特に注目してみてはいかがだろうか。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、07年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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