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格闘技・プロレス

「イノウエに負けたのは恥じゃない」ドネア父が愛息子に引退を進言! 完敗に「もう十分にやった」と慮る

THE DIGEST編集部

2022.06.12

井上に一方的に打ち込まれ、為す術なく力負けを喫したドネア。そのパフォーマンスを父親も気にかけた。(C)AFP/AFLO

井上に一方的に打ち込まれ、為す術なく力負けを喫したドネア。そのパフォーマンスを父親も気にかけた。(C)AFP/AFLO

 井上尚弥(大橋)との対戦前に「キャリア最大の一戦」と意気込んでいたノニト・ドネア(フィリピン)は文字通りの完敗。その進退に注目が集まっている。

 2019年11月のワールドボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝で敗れて以来2年7か月ぶりに井上と再戦した39歳のベテラン。試合前には「全く違う人間と闘うと思った方がいい」とリベンジに自信を見せていたが、早々に決着した。

 試合序盤に得意の左フックを当て込んで“先制パンチ”を見舞ったドネアだったが、これが逆に相手に緊張感を生み出した。「おかげでしっかりとピリついて、試合を立て直せた」と明かした井上は、そこから一切の隙を見せずに猛ラッシュを展開。初回に1度目のダウンを奪われた“フィリピンの閃光”は、2回も一方的に打ち込まれ、最後は強烈な左フックを頭部に被弾。力なくリングに倒れたのである。

 怒涛の猛攻を前に沈んだレジェンド。試合後にはツイッターのライブ動画で「イノウエは本当に凄かったし、彼はやっぱり最高だ」とライバルを称え、自身の完敗を認めた。一方で注目される今後の身の振り方については言及しなかった。
 
 当代最強と言える“モンスター”に2度目の敗北を喫したドネア。それだけに「ここが潮時」という声も少なくない。そのなかでフィリピンでも有数のネットワークを誇る放送局『GMA Network』で「私からすれば、もう彼は十分にやった。なにも証明をする必要はないし、休まないといけない」と語ったのは、他でもない父ノニト・ドネアSr.さんだった。

 2年7か月までの初対戦時には、愛息子のトレーナーとしてセコンドについていたドネアSr.さん。今回の再戦のパフォーマンスを見て、「もう彼は自分の健康を気遣わなければいけない。お金はマネージメントやトレーナーとしても十分に稼げる。だが、あんなに酷く打ちのめされたのは初めてだし、もう現実的に考えなければいけない」と断言。そのうえで、井上戦を次のように振り返った。

「彼が受けた最後の一発について深く考えさせられている。次も同じようにパンチを浴びる側になるかもしれない。彼が受けたダメージは計り知れないよ。ただ、イノウエと闘い、そして敗れたことは、決して恥なんかじゃない」

 選手として敬意を払いつつ、愛息子への想いから引退を勧めたドネアSr.さん。はたして、この父の言葉を本人はどう受け止めるのか。バンタム級に長く君臨したレジェンドの今後が注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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