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格闘技・プロレス

「まだまだ実力がある」衰え知らずのテテがSバンタム級で完勝。かつて挑発した井上尚弥との対戦にも期待膨らむKO劇

THE DIGEST編集部

2022.07.03

カニンガムをリングに沈め、見下ろすテテ。その威風堂々のパフォーマンスには地元メディアも賛辞を送っている。(C)Getty Images

カニンガムをリングに沈め、見下ろすテテ。その威風堂々のパフォーマンスには地元メディアも賛辞を送っている。(C)Getty Images

 南アフリカの精鋭戦士が力強さを見せつけた。

 現地時間7月2日、ボクシングの元世界2階級制覇王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)が、ロンドンでのスーパーバンタム級12回戦で、ジェイソン・カニンガム(英国)と対戦。豪快な4回KO勝利を収め、健在ぶりをアピールした。

 豪快なカウンターが見事に効いた。優位に試合を進めていたテテは4回にカニンガムが右ジャブを放ったタイミングで、渾身の左ストレートを炸裂。これが顎にクリーンヒットとすると、相手はふらつきながら尻餅をついてダウン。ここを勝機と見た34歳は、再開後にグロッキー寸前のカニンガムに猛ラッシュを浴びせ、最後はアッパー気味に左を当てて、2度目のダウンをもぎ取り、決着をつけた。

 衰え知らずといった様子のテテ。彼が見せつけた堂々たるパフォーマンスには、英国メディアも脱帽するばかりだ。英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は「恐ろしいKOだ」と銘打った記事内で「この上等なサウスポーは、34歳にしてまだまだ実力があることを示した。カニンガムは巧みな試合運びを見せたが、冷酷な南アフリカ人の前に2度も屈した」と、その凄みを絶賛した。
 
 WBO世界バンタム級王者時代に対抗王者とされた井上尚弥(大橋)を「イノウエは絶対的なんかじゃない」と挑発し続けてきた彼だが、2019年11月に同級暫定王者だったジョンリエル・カシメロ(フィリピン)に3回TKO負けを喫して正規王座から陥落。“モンスター”との対戦をせぬまま、昨年12月にスーパーバンタム級に移動していた。

 スーパーバンタム級での初陣も同胞のイッディ・カユンバに55秒KOという圧巻の勝利を飾っていたテテ。それだけにカニンガム戦でのKOは、彼をタイトルマッチに近づけるものになったと言えるかもしれない。

 かつて強烈にライバル視した井上は、周知の通り、バンタム級の4団体統一を最優先にしている。だが、将来的なスーパーバンタム級転向も公の場でほのめかしており、そのタイミングでテテがタイトルを保持、あるいはタイトル戦線に絡んでいれば、念願の初対戦が実現するかもしれない。

 井上との対決が実現すれば、興味深い対戦となるのは間違いない。それだけに両雄の動向は、目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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