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ライバルを転倒させて失格の伊女子選手に“誹謗中傷”。本人は「わざとやったことじゃない」と弁解!【世界陸上】

THE DIGEST編集部

2022.07.18

自身の接触行為で失格処分を受け、涙を流したサバティーニ。そんな彼女のもとには誹謗中傷のメッセージも寄せられた。(C)Getty Images

自身の接触行為で失格処分を受け、涙を流したサバティーニ。そんな彼女のもとには誹謗中傷のメッセージも寄せられた。(C)Getty Images

 世界が注目する舞台でのアクシデントが小さくない波紋を広げている。

 事の発端となっているのは、現地時間7月16日に行なわれたオレゴン世界陸上の女子1500メートル準決勝での一コマだ。

 第1組のラスト1周、最終コーナーから直線に入った場面だった。5番手争いの密集のなかにいたガイア・サバティーニ(イタリア)が、自身の進路を開けようと、前方のランナーを押し出すようにして前に出る。すると、接触したウィニー・ナニョンド(ウガンダ)が転倒。さらにその影響を受けて、日本の田中希実ら複数選手が、転倒は免れたものの外に膨らむアクシデントなった。

 結局、6位でフィニッシュしたサバティーニは検証の末に失格に。転倒によって大幅に出遅れたナニョンドは途中棄権となったが、特別措置によって18日の決勝へ駒を進めた。

 そもそも1500メートルは位置取り争いが激しく「陸上の格闘技」と言われ、とりわけ接触が多い種目ではある。しかし、23歳のイタリア人ランナーが見せた走りには、国内メディアからも厳しい意見が飛んだ。母国紙『Gazzetta Dello Sport』は「ナニョンドを突き飛ばしたのは致命的なミスだった」と断じたうえで「彼女の失格は必然的だった。しかし、このイタリア中距離界ナンバーワンの23歳の失敗は、将来的に大きな財産となる経験だろう」とレポート。また、欧州のスポーツ専門局『EURO SPORT』も「決して暴力的ではなかったが、見栄えは悪く、妨害行為に値する行為だった」と指摘した。
 
 自身のSNSには誹謗中傷のコメントも相次いだ。そうしたなかでサバティーニ本人はレースを乱してしまった行ないを猛省している。イタリア・メディア『OA Sport』など複数メディアに対して、次のように語った。

「ナニョンドには本当に申し訳なく思う。私は怪我をしていて、コンディションが万全ではなく、自信も失っていた。レース前の段階から精神がすり減って、疲れ果てていた。あれは戦術的なミスだったと思う。内側から彼女を抜こうとしたら、接触してしまって、たぶん私の足が彼女をつまずかせてしまった。本当に申し訳ないし、わざとやったことじゃないのは確か。この失敗から学ばないといけない」

 批判にもめげずに前を向いた23歳、サバティーニ。この檜舞台での失敗を糧に、彼女は飛躍できるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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