薄底から厚底へ――。近年、世界のマラソンは厚底シューズが中心になっている。その大きな変革をもたらしたのが、ナイキだった。
42.195kmを2時間以内で走るプロジェクトである「Breaking2」 に向けて、革新的な厚底モデルを開発。2017年5月に行なわれた非公認レースでエリウド・キプチョゲ(ケニア)が当時の世界記録を2分半近くも上回る2時0分25秒で走破して世界中を驚かせた。
2017年の夏にナイキの厚底シューズが一般発売されると、世界中のロードレースを席巻した。マラソンの世界記録は男子が2時間2分57秒から2時間1分39秒、女子は2時間15分25秒から2時間14分04秒に短縮。国内では男子マラソンの日本記録が4度も塗り替えられた。箱根駅伝もナイキ厚底シューズが10区間すべての区間記録を更新。1kmあたり2~3秒もタイムを短縮しているのだ。
その勢いは凄まじく「シューズドーピング」の声が上がったほど。そのため他社も厚底モデルを続々と投入。この数年でランニングシューズのレベルが飛躍的に向上した。
ナイキはソールを厚くすることでスピードアップを図ってきたが、世界陸連は2020年に靴底を「40mm以下」に制限する新ルールを発表。現在は限られた条件のなかで、各社が新モデルの開発に勤しんでいる。
では、オレゴンで行なわれている世界陸上の“覇権争い”はどうなるのか。
まずは昨夏の東京五輪を振り返ってみたい。男子は世界記録保持者のエリウド・キプチョゲが完勝。メダルを獲得した3人は全員がナイキを着用していた。女子は優勝したペレス・ジェプチルチル(ケニア)がアディダス、2位のブリジット・コスゲイ(ケニア)がナイキ、3位のモリー・セイデル(米国)がプーマを履いていた。
日本勢はというと男子の大迫傑、中村匠吾、服部勇馬はともにナイキ。女子は一山麻緒と鈴木亜由子がナイキ、前田穂南がアシックスだった。出場者全体でいうと、男女ともナイキのシェア率が高かった。
なおナイキの厚底レースシューズは前足部にエアが搭載された『ズーム アルファフライ ネクスト%』が最高峰モデルだった。しかし、東京五輪はコーナーが多かったこともあり、安定性のある『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』をチョイスした選手が多かった。メダリストの4人、日本勢の5人も同モデルを履いていた。
42.195kmを2時間以内で走るプロジェクトである「Breaking2」 に向けて、革新的な厚底モデルを開発。2017年5月に行なわれた非公認レースでエリウド・キプチョゲ(ケニア)が当時の世界記録を2分半近くも上回る2時0分25秒で走破して世界中を驚かせた。
2017年の夏にナイキの厚底シューズが一般発売されると、世界中のロードレースを席巻した。マラソンの世界記録は男子が2時間2分57秒から2時間1分39秒、女子は2時間15分25秒から2時間14分04秒に短縮。国内では男子マラソンの日本記録が4度も塗り替えられた。箱根駅伝もナイキ厚底シューズが10区間すべての区間記録を更新。1kmあたり2~3秒もタイムを短縮しているのだ。
その勢いは凄まじく「シューズドーピング」の声が上がったほど。そのため他社も厚底モデルを続々と投入。この数年でランニングシューズのレベルが飛躍的に向上した。
ナイキはソールを厚くすることでスピードアップを図ってきたが、世界陸連は2020年に靴底を「40mm以下」に制限する新ルールを発表。現在は限られた条件のなかで、各社が新モデルの開発に勤しんでいる。
では、オレゴンで行なわれている世界陸上の“覇権争い”はどうなるのか。
まずは昨夏の東京五輪を振り返ってみたい。男子は世界記録保持者のエリウド・キプチョゲが完勝。メダルを獲得した3人は全員がナイキを着用していた。女子は優勝したペレス・ジェプチルチル(ケニア)がアディダス、2位のブリジット・コスゲイ(ケニア)がナイキ、3位のモリー・セイデル(米国)がプーマを履いていた。
日本勢はというと男子の大迫傑、中村匠吾、服部勇馬はともにナイキ。女子は一山麻緒と鈴木亜由子がナイキ、前田穂南がアシックスだった。出場者全体でいうと、男女ともナイキのシェア率が高かった。
なおナイキの厚底レースシューズは前足部にエアが搭載された『ズーム アルファフライ ネクスト%』が最高峰モデルだった。しかし、東京五輪はコーナーが多かったこともあり、安定性のある『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』をチョイスした選手が多かった。メダリストの4人、日本勢の5人も同モデルを履いていた。