ゴルフ

ツアールーキー古江彩佳の勝因とは? 国内で父親と行なっていた練習、さらに地元出身キャディが“初V”の後押しに

山西英希

2022.08.02

トロフィーとともに写真にうつる古江。今季16試合目でツアー初優勝をつかみ取った。(C)Getty Images

 昨季、国内女子ツアーで6勝を挙げ、メルセデスランキング1位に輝いた古江彩佳(富士通)が、今年から参戦している米女子ツアーの『トラストゴルフスコットランド女子オープン』(7月28~31日、英国・ダンドナルドリンクス)にて、同ツアー初優勝を飾った。

【動画】古江のバーディが止まらない! 「62」を記録した最終日ハイライトをチェック

 最終日、首位と4打差の9位タイからスタートした古江は、前半のアウトで5バーディ・ノーボギーという完璧なゴルフを見せると、インに入ってもその勢いは衰えず、やはり5バーディ・ノーボギーでホールアウト。なんと18ホールをコースレコードとなる「62」で回り、一気に単独首位へと躍り出たのだ。

 そのままクラブハウスリーダーとして後続の組を待ったが、誰も通算21アンダーの古江に近づくことはできず、2位以下に3打差をつけての優勝となった。
 
「すごく嬉しいです。4打差あったので逆転は難しいと思っていましたが、優勝できてよかったです。ショットもパットもよく、決めたいバーディパットが入ってくれたのが好スコアの要因だと思います」

 こう喜びを語った古江はこの日、フェアウェイを外したのも、グリーンを外したのもわずかに1度ずつあるだけで、パッティングも26パットに収めた。ドライバーの飛距離では他の選手に劣るが、ショットの正確性とパッティングで見事にカバー。特に注目したいのが、上がり2ホールを連続バーディで締めたところだ。

 自分がリーダーボードの一番上にいる状態で終盤のホールを迎えたら、相当なプレッシャーがかかる。ツアー初優勝がかかっていればなおさらだ。

 にもかかわらず、17番パー4で約4.5メートルのバーディパットを沈めると、最終18番パー5では3打目をピン左約1メートルにピタリとつけ、それを沈めてみせた。技術だけでなく、メンタル面の強さを改めて認識させたと言えるだろう。

 シーズン当初は、なかなか上位に入れなかった古江だが、5月25~29日に開催された『バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー』では、2位でフィニッシュし、来季のシード権をほぼ確定させていた。多少の余裕を持ってシーズンを戦えたにせよ、本格参戦16試合目でのツアー初優勝は立派のひと言に尽きる。
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ショット、パットがともに好調だった要因とは?