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ゴルフ

ツアールーキー古江彩佳の勝因とは? 国内で父親と行なっていた練習、さらに地元出身キャディが“初V”の後押しに

山西英希

2022.08.02

 ただ、『バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー』の後、それほど調子が良かったわけではない。6月に開催された『全米女子オープン』と『全米女子プロ』という2つのメジャーでは予選落ちを喫している。

 古江の場合、ジュニア時代からコーチに教わることはなく、父親である芳宏さんと二人三脚で戦ってきた。しかし、芳宏さんが米ツアーに帯同していないため、ある程度は古江自身で解決しなければいけなかった。米国の場合、日本とは芝質が異なるため、打ち方も変わってくる。

「意識していなくてもボールの上からクラブヘッドを下ろしたいという気持ちがスイングに影響を与えたのかもしれません。本来の自分のスイングとのズレが生じていました」

 そして『全米女子プロ』の翌週、日本に米ツアー参戦後初めて帰ると、古江は芳宏さんとスイングチェックを行なった。そこで微妙なスイングのズレに気がつき、すぐに修正した結果、本来のショットを取り戻すことに成功したのだ。
 
 また、パッティングに関しては、この大会からボールを2個同時に打つ練習を取り入れた。インパクトでフェース面が少しでも開いたり、被ってしまうと、ボールは2個一緒に目標方向には転がらない。この練習により、ボールを狙ったところに打ち出す確率が高くなった。

 さらに今季、古江の帯同キャディを務めているマイク・スコットさんが開催コースに近いグラスゴーの出身だったこともあり、適切なアドバイスを受けることができた。

「自分の感覚にないランの距離感をアドバイスしてくれたり、風の計算をしてくれたりと、本当に助かりました」と古江。好調なショットとパットに綿密なコースマネジメントが加わったことで、21アンダーまでスコアを伸ばせたのは間違いない。

「リンクスコースで優勝できたのはすごく嬉しいなと思います」と喜ぶ古江だが、今週はその中でも1、2を争う難コース・ミュアフィールドで開催の『AIG全英女子オープン』に参戦する。絶好調ゴルフで前哨戦を制した古江に対して、優勝の期待が高まることは言うまでもない。

文●山西英希 
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、07年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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