格闘技・プロレス

「下手だな」「弱いな、お前は」村田諒太がゴロフキン戦を見て漏らした心境。脳裏に揺らぐ進退への想いは?

THE DIGEST編集部

2022.08.03

時折、冗談も交えつつ、ゴロフキン戦からの想いを振り返った村田。写真:徳原隆元

「なんか、下手だな。もっとできるじゃんって思いました」

 ボクシング元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)は、WOWOWの「村田諒太出演! エキサイトマッチSP『村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン』」の収録後に行なわれた取材の場で、そうしみじみと語った。

 意外な言葉なように思えた。なにせ、今年4月に実現させたゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との一戦は、歴史的大健闘と言える内容だった。結果的に9回TKO負けを喫したが、傍目にも「下手」とは思えないパフォーマンスに見えた。

 しかし、同番組の収録ではじめて試合を観たという村田は「良いシーンはもちろんあった。でも、至らぬところばかりが見えた」と、こみ上げた心境を吐露。そして、「悔しいし、負けた悔しさと言うより、情けなさに似たような。自分が『こんなことしかできてないんだ』という自分の弱さを見たみたいな。そんな感じですね」と続ける。

 そして、改めて映像を目の当たりにした村田は、「やる気とか悔しさがもっと出るかなと思ったんですけど、意外と出てこなかった」と率直な想いを語った。

「語弊のないように言うと、もちろん悔しいし、情けない。『弱いな、お前は』『もっとできんじゃねーか』って映像の自分に対して、自分自身は言っている。ですけど、その先に何がしたいのかが明確じゃない。だから、そこまでしか思えない」
 
 憧れでもあったゴロフキンとの激闘からおよそ4か月。当然、あの"二文字"も脳裏には揺らいでいる。だが、「決断だけじゃないですかね」と語る村田は、「たぶん整理っていうのは、決断の後に来るんじゃないかと思う」と、言葉を振り絞った。

「整理がついて決断しろっていうのは逆な気がしますね。いまは決断が先延ばしになっている状況なので、ぼちぼちしなきゃいけないんでしょうね。そして、その決断をもとに整理して、次に向かっていく。それが現役続行であれ、引退して違う道に進むにしても。決断をしないと気持ちはただただ揺れる一方なので」

 もっとも、不定期のロードワークや、知人のボクシングジムで身体は動かしている。それでも村田は「(ゴロフキン戦は)過去じゃないですか、すでに。むしろ引退状況に近いじゃないですか、精神的には」とも口にした。

 では、その決断の時はいつ来るのか。36歳は、こう言い残している。

「引っ張るのも嫌なんすよ。本当は。こうやって記者の方に来ていただいて、"かまってちゃん"みたいなのは嫌。でも、何とも言えない状況ってことなんですよ」

構成●THE DIGEST編集部

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