去る6月7日に行なわれたクシング世界バンタム級3団体統一戦で、WBAスーパー&IBF統一王者の井上尚弥(大橋)は、WBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)を2回TKOで仕留めて圧勝。日本列島だけでなく、世界の度肝を抜いた。
文字通り敵なしの強さを見せつけるようなパフォーマンスだった。1回の終盤に右のカウンターストレートでダウンを奪った井上は、2回に入ってからよりギアを上げ、一気に畳みかける。そして、すでにふらついていたドネアに、渾身の左フックを当て込んで勝負を決めたのである。
試合後に米老舗ボクシング誌『The Ring』が選ぶパウンド・フォー・パウンドでは、堂々の1位に選出された井上。これまでも強さに定評はあった“モンスター”だが、その声価は4分も必要としなかったドネアからの勝利で、より確固たるものに変化したと言っていい。
井上の強さに対する賛辞は「欠点は完全になくなった」(英メディア『talkSPORT)や「イノウエは地球上で最高だ」(アルゼンチン紙『El Eco』)など各国メディアから相次ぎ、それこそ枚挙に暇がない。
そのなかで最も説得力があるのは、やはり対峙したライバルの言葉だろう。現地時間6月29日に米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』は、ドネアが自身のYouTubeチャンネル『Beyond The Ring with Nonito and Rachel』で振り返った言葉を伝えた。
約2年8か月ぶりの再戦となった井上戦に向けて、「僕らには素晴らしいプランがあった。ジャブとフェイントを使って、動き回るものだった」と語るドネアは、「ただ、残念ながら喧嘩っ早い性格が仇となった。それが僕の性分なんだ」と回想。そして、目の当たりにした“モンスター級”のパンチについて、次のように漏らした。
「あれはこれまでに受けてきたどんなパンチよりも(対応が)難しくて、厄介な一発だったと言っても過言ではないよ。当たった瞬間は見えなかったし、僕は目の前が真っ白になったんだからね」
百戦錬磨のベテランをしてここまで言わせてしまう井上。次なる野望であるWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国)との同級4団体統一戦に向けても、水面下で交渉が順調に進んでいるとされ、現時点で、その歩みを止めるものはない。
「プロボクサーとして到着点、最終地点は35歳まで。そこまでの道のり、理想は無敗でゴール」と語る日本の至宝は、どこまで勝ち進むのか。大いなる挑戦を興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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文字通り敵なしの強さを見せつけるようなパフォーマンスだった。1回の終盤に右のカウンターストレートでダウンを奪った井上は、2回に入ってからよりギアを上げ、一気に畳みかける。そして、すでにふらついていたドネアに、渾身の左フックを当て込んで勝負を決めたのである。
試合後に米老舗ボクシング誌『The Ring』が選ぶパウンド・フォー・パウンドでは、堂々の1位に選出された井上。これまでも強さに定評はあった“モンスター”だが、その声価は4分も必要としなかったドネアからの勝利で、より確固たるものに変化したと言っていい。
井上の強さに対する賛辞は「欠点は完全になくなった」(英メディア『talkSPORT)や「イノウエは地球上で最高だ」(アルゼンチン紙『El Eco』)など各国メディアから相次ぎ、それこそ枚挙に暇がない。
そのなかで最も説得力があるのは、やはり対峙したライバルの言葉だろう。現地時間6月29日に米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』は、ドネアが自身のYouTubeチャンネル『Beyond The Ring with Nonito and Rachel』で振り返った言葉を伝えた。
約2年8か月ぶりの再戦となった井上戦に向けて、「僕らには素晴らしいプランがあった。ジャブとフェイントを使って、動き回るものだった」と語るドネアは、「ただ、残念ながら喧嘩っ早い性格が仇となった。それが僕の性分なんだ」と回想。そして、目の当たりにした“モンスター級”のパンチについて、次のように漏らした。
「あれはこれまでに受けてきたどんなパンチよりも(対応が)難しくて、厄介な一発だったと言っても過言ではないよ。当たった瞬間は見えなかったし、僕は目の前が真っ白になったんだからね」
百戦錬磨のベテランをしてここまで言わせてしまう井上。次なる野望であるWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国)との同級4団体統一戦に向けても、水面下で交渉が順調に進んでいるとされ、現時点で、その歩みを止めるものはない。
「プロボクサーとして到着点、最終地点は35歳まで。そこまでの道のり、理想は無敗でゴール」と語る日本の至宝は、どこまで勝ち進むのか。大いなる挑戦を興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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