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格闘技・プロレス

ドネアが「どんなものよりも厄介だった」と語った右ストレート。どんな賛辞よりも説得力がある井上尚弥の凄み

THE DIGEST編集部

2022.06.30

戦前は目まぐるしい攻防戦が繰り広げられると思われたドネアとのリマッチ。しかし、井上はわずか4分足らずで決着をつけた。(C) Getty Images

戦前は目まぐるしい攻防戦が繰り広げられると思われたドネアとのリマッチ。しかし、井上はわずか4分足らずで決着をつけた。(C) Getty Images

 去る6月7日に行なわれたクシング世界バンタム級3団体統一戦で、WBAスーパー&IBF統一王者の井上尚弥(大橋)は、WBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)を2回TKOで仕留めて圧勝。日本列島だけでなく、世界の度肝を抜いた。

 文字通り敵なしの強さを見せつけるようなパフォーマンスだった。1回の終盤に右のカウンターストレートでダウンを奪った井上は、2回に入ってからよりギアを上げ、一気に畳みかける。そして、すでにふらついていたドネアに、渾身の左フックを当て込んで勝負を決めたのである。

 試合後に米老舗ボクシング誌『The Ring』が選ぶパウンド・フォー・パウンドでは、堂々の1位に選出された井上。これまでも強さに定評はあった“モンスター”だが、その声価は4分も必要としなかったドネアからの勝利で、より確固たるものに変化したと言っていい。

 井上の強さに対する賛辞は「欠点は完全になくなった」(英メディア『talkSPORT)や「イノウエは地球上で最高だ」(アルゼンチン紙『El Eco』)など各国メディアから相次ぎ、それこそ枚挙に暇がない。

 そのなかで最も説得力があるのは、やはり対峙したライバルの言葉だろう。現地時間6月29日に米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』は、ドネアが自身のYouTubeチャンネル『Beyond The Ring with Nonito and Rachel』で振り返った言葉を伝えた。
 
 約2年8か月ぶりの再戦となった井上戦に向けて、「僕らには素晴らしいプランがあった。ジャブとフェイントを使って、動き回るものだった」と語るドネアは、「ただ、残念ながら喧嘩っ早い性格が仇となった。それが僕の性分なんだ」と回想。そして、目の当たりにした“モンスター級”のパンチについて、次のように漏らした。

「あれはこれまでに受けてきたどんなパンチよりも(対応が)難しくて、厄介な一発だったと言っても過言ではないよ。当たった瞬間は見えなかったし、僕は目の前が真っ白になったんだからね」

 百戦錬磨のベテランをしてここまで言わせてしまう井上。次なる野望であるWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国)との同級4団体統一戦に向けても、水面下で交渉が順調に進んでいるとされ、現時点で、その歩みを止めるものはない。

「プロボクサーとして到着点、最終地点は35歳まで。そこまでの道のり、理想は無敗でゴール」と語る日本の至宝は、どこまで勝ち進むのか。大いなる挑戦を興味深く見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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