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バレーボール

【女子バレー】世界選手権のブレーク候補は“20歳コンビ”佐藤淑乃と宮部愛芽世!抜群の度胸でチームの“起爆剤”になれるか

THE DIGEST編集部

2022.08.16

紅白戦で思い切りの良い攻撃を次々と決めた、20歳の佐藤。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

紅白戦で思い切りの良い攻撃を次々と決めた、20歳の佐藤。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 8月13、14日の2日に渡り、ジップアリーナ岡山にて女子バレー日本代表の紅白戦が開催された。来る9月23日からオランダとポーランドの2か所で行なわれる世界選手権へ向けた壮行試合であると共に、今年度の女子バレー日本代表が日本で試合をするのはこれが初めて。世界選手権に出場する14名を巡る争いもさることながら、今季初選出の選手も多く、パリ五輪へ向けどんな新戦力が加わったのかも注目を集めた。

 最大の注目は、エースで主将、チームにとって絶対的な柱である古賀紗理那の対角、またはセッター対角に入るアウトサイドヒッターが誰か。ネーションズリーグの成績や活躍度合から測れば、最も多く古賀の対角に入った井上愛里沙が大本命というべき存在であるのは間違いない。さらに東京五輪に出場した石川真佑もネーションズリーグではスタメン出場の機会こそ減ったものの、要所ではリリーフサーバーとしてチームの勝利に貢献した。

 攻守両面のバランスという面から見れば、セッター対角に入る林琴奈の安定感も抜群で、欠かすことはできない。そこにベテランの内瀬戸真実もいる。戦力は充実しているが、世界選手権での起爆剤という視点で考えれば、新戦力の活躍も待たれるところだ。

 そんな期待に応えるべく、紅白戦で大活躍を収めた選手が2人いる。共に現役大学生の宮部愛芽世と、佐藤淑乃。宮部は東海大、佐藤は筑波大、大学ではライバルとして戦う2人だが、同い歳で仲が良く、今季の合宿がスタートしてからも切磋琢磨し合ってきた。

 先にチャンスをつかんだのは佐藤だ。ネーションズリーグの初戦となった韓国戦でもセッター対角のオポジットに抜擢された。その後もリリーフサーバーとして投入されるたびに、武器でもあるサーブで着実に結果を残し、ネーションズリーグでは日本の勝ちパターンを構成する欠かせぬ戦力となった。
 
 攻撃力が武器でもある宮部も、姉の藍梨と共に活躍が期待されたが、スピードが求められるなか持ち前のパワーや高さを生かした攻撃力が発揮できずにいた。だが、紅白戦ではそんなうっ憤を晴らすかのごとく、前衛、後衛、どんな位置からでも積極的に攻撃を仕掛けた。初日は硬さもあり、スパイクミスも目立ったが迷いが消えた2戦目は立て続けに攻撃を決め、長いラリーの最中に上がったトスを何本も打ち切る。全国制覇を成し遂げた金蘭会高在学時から定評のあった勝負強さをいかんなく発揮し、フレッシュさと共に攻撃力も大いにアピールして見せた。

 宮部に負けじと佐藤も活躍。得意のサーブで相手のレシーブを崩すのはもちろんだが、攻撃面でもブロックにひるまず攻める。思い切りの良い攻撃が次々決まり、初選出ながら十分、世界レベルに通用する力があることを見せつけた。

 振り返れば、過去にも江畑幸子や迫田さおりなど、若手時代に出場した世界選手権で活躍、ブレークを遂げた選手は少なくない。絶対的な大黒柱である古賀に加え、技巧派の井上だけでなく、勢いに乗れば手が付けられない活躍、爆発力を擁する若手選手の活躍は日本代表にとって朗報であるのは間違いない。

 ここまでの合宿で磨いた技と、抜群の度胸を世界選手権で披露するためのアピールは十分。岡山に続いて20、21の両日には姫路のヴィクトリーナ・ウィンク体育館で紅白戦が開催される。世界選手権出場の14名に名を連ねるべく躍動する20歳コンビを要チェックだ。

構成●THE DIGEST編集部

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