バレーボール

【男子バレー】石川祐希ら主力温存の日本代表が“格上”米国に引き分け。3選手が2桁得点も浮上した課題とは

THE DIGEST編集部

2022.08.20

アメリカとの親善試合で最多の17得点を記録した宮浦。石川らを温存するなかで、引き分けた。(C)Getty Images

 現地時間8月19日、イタリアはクーネオで日本、イタリア、アメリカの3代表によるバレーボール男子世界選手権に向けた親善試合『DHLテストマッチ・トーナメント』の2日目が行なわれ、世界ランク9位の日本代表は、同5位のアメリカと対戦。セットカウント2-2(25-21、22-25、24-26、24-18/4セットマッチ)で引け分けた。

 日本は、ネーションズリーグ(VNL)準々決勝の直前に左足を負傷し復帰に向け調整中の主将石川祐希、攻撃の要である西田有志を温存。同大会予選ラウンドでアメリカを追い詰めた高橋藍、大塚達宣、宮浦健人、ミドルブロッカーは山内晶大と小野寺大志、セッターに関田誠大を先発起用した。

 一方、アメリカはマシュー・アンダーソンら前日にストレート勝利を収めたイタリア戦と同様のメンバーに主力アウトサイドヒッターのアーロン・ラッセルを加えた布陣で試合をスタートさせた。

 第1セット、日本は持ち前の高い守備力を得点につなげ、4点差をつけてセットポイントを迎える。アメリカがたまらずタイムアウトをとると、イタリア戦で好調だったトーリー・デファルコは苛立ちを隠せない様子を見せた。

 危なげなく第1セットを先取した日本だったが、善戦しつつも第2セットを失った。ギアを上げたアメリカに対し、第3セットは終始ビハインドを負った展開が続く。高橋が連続エースで点差を詰めた直後にデファルコのエース2本で再び突き放された。それでも日本は終盤に好守から得点を重ねて逆転に成功。先に日本はセットポイントを奪うも、サーブとアタックのミスで取り逃し、僅差でこのセットを落とした。
 
 第4セットは、精度を上げたサーブでプレッシャーをかけ続けると、第1セットで見せた多彩な攻撃が再び機能。このセットで投入した高梨健太の連続得点などでアメリカを振り切り、試合をイーブンに戻した。

 世界選手権を控え重要な最終調整で両チームは4セットマッチを選択し、ここでゲームは終了。宮浦が試合最多17得点(アタック16、ブロック1)を記録し、高橋と大塚も2桁得点を挙げる活躍を見せた。その一方で、サービスエース(アメリカ7、日本3)とブロック(アメリカ10、日本3)では、課題も見えた。

 3セット目以降、アメリカが多くの選手に出場機会を与えながら試合を進めるなか、日本は出場した選手全員が最後まで冷静にプレー。2大エース、石川と西田を送り込むことなくVNLでの接戦を上回る内容を残し、開幕まで1週間を切った世界選手権へ向け確かなチーム力の底上げを感じさせてくれた。

 日本時間21日4時5分から、世界ランク5位のイタリアと対戦する予定の龍神NIPPON。VNL予選ラウンドで撃破した強豪とどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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