８月26日開幕のバレーボール世界選手権でさらなる飛躍が期待される男子日本代表。29年ぶりに８強入りを果たした昨年の東京五輪から着々と成長を遂げ、上昇気流に乗るその実力は、バレーボール大国代表のエースと監督から一目置かれるほどの進歩を遂げている。

　日本代表はネーションズリーグ（VNL）で並みいる強豪勢と互角に渡り合い、史上初の決勝ラウンドへ進出。予選ラウンドでは世界最高峰リーグを擁するイタリアを撃破し、主将石川祐希と西田有志のダブルエースを温存しながらバレーボール界筆頭格の米国と大接戦を演じるなど、コート上で６人が舞う日本にしかできないプレーで世界を驚かせた。

　その急成長を肌で感じていると話したのは、今年の代表シーズン最後を飾る世界選手権へ向けたテストマッチで再び対戦したイタリア代表の主力アウトサイドヒッター、22歳のダニエレ・ラヴィアだ。

　20日に行なわれたテストマッチでは、イタリアが日本の連勝を阻止して勝利。国営放送で放映された試合の直後、実況ブースに招かれたラヴィアは開口一番に、「VNLを通して飛躍ぶりをこの目で見てきた日本代表との対戦でよい結果を出せて嬉しい。日本は堅固な守備で相手に困難をもたらしサーブ力もある盤石なチームだから」と日本の強さに言及した。
  　初日の米国戦をストレート負けで終えたイタリア。自分たちが完敗を喫した相手はその翌日、日本に苦戦を強いられていた。その光景を目にして、「（前日に僕らが敗れた）世界屈指の米国を土俵際まで追い詰めていた」と日本の戦いぶりに驚きをもって称賛。

「世界トップチーム入りが目前の日本を相手に結果を出すことができた。日本は素晴らしいクオリティの攻撃と守備、それにスピードと常識を超えたテクニックを兼ね備えている。特にテクニックに関して、僕らは手本にする必要がある」とコメント。今シーズンのセリエAで優勝候補と言われるイタス・トレンティーノでも中心選手として活躍するラヴィアの言葉には、決して社交辞令ではない日本代表への尊敬と最大級の賛美が溢れていた。