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評価ガタ落ちの“問題児”カシメロに母国識者が再建のススメ。最も求められるのは周辺整理? 「彼は残念でしかない」

THE DIGEST編集部

2022.08.23

昨夏のリゴンドー戦以来、実戦からは離れてしまっているカシメロ。そんな現状に国内からも批判の声が上がった。(C)Getty Images

昨夏のリゴンドー戦以来、実戦からは離れてしまっているカシメロ。そんな現状に国内からも批判の声が上がった。(C)Getty Images

 ボクシング界屈指の“問題児”への風当たりは、母国でも強まる一方だ。元WBOバンタム級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。

 もっとも、逆風に晒されるようになる原因は、他でもない本人にあると言っても過言ではない。過去4度も同ベルトの防衛を果たしていたカシメロだったが、昨年12月にはポール・バトラー(英国)との防衛戦を前日計量時にウイルス性胃腸炎を患ったとして“ドタキャン”。これをキッカケに井上尚弥(大橋ジム)の“宿敵”と目された男への評価は一変する。

 バトラー戦の仕切り直しとして組まれた今年4月の再戦時には、減量目的によるサウナ使用が発覚。これが会場となった英国のボクシング管理委員会が設ける医療ガイドライン違反に該当し、試合が再び土壇場で中止に。さすがのWBOからも三下り半を突き付けられ、正式に王座剥奪を余儀なくされた。

 21年8月のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦を最後に実戦から遠のいている32歳。それだけに一部では引退の可能性も指摘された。そうしたなかで、あらためてカシメロの現状を糾弾したのは、フィリピンの放送局『GMA Network』のアナリストを務めるエド・トレンティーノ氏は、「もう1年以上も闘っていない。彼に起きていることは残念でしかない」と嘆いた。

「簡単に訪れるものではなかったチャンスを、カシメロは容易く逃してしまった。もう1年以上も闘っていないことが何を意味するかって? ただ錆びついていくだけじゃなく、活動しないことで世界ランキングも下がってしまうんだ」
 

 決して若くはないカシメロの振る舞いを断じたトレンティーノ氏は、さらに「カシメロが、今すぐに世界タイトルマッチを要求するのは非常に厳しい。だから、たとえ調整程度でもリングに戻ることが重要だ」と格下だろうと試合を行ない、実力を示す重要性を力説。そのうえで、こう続けてもいる。

「カシメロはまず何よりも周辺整理をすべきだ。自分の家は常に片付けておくものだろう? 彼にはキャリアをしっかりと軌道に戻してくれる人物が必要だよ。タイトル争いに復帰するために、正しいチームを取り戻してくれ。戻る前に、自分の身の回りを整頓するんだ」

 かつては、再三にわたって「カメ野郎」と挑発してきた井上との統一戦も期待されてきたカシメロ。しかし、そのビッグマッチの実現も今や望み薄だ。間違いなくキャリアの岐路にいる32歳の悪童は、いかに自身の価値を取り戻すのか。実に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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