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バレーボール

五輪落選から這い上がった“日本のエース”古賀紗理那に注目だ! 悲願のメダルを狙う眞鍋ジャパンの挑戦【世界バレー】

THE DIGEST編集部

2022.09.24

相手チームから最も警戒されている古賀。(C)Getty Images

相手チームから最も警戒されている古賀。(C)Getty Images

 現地時間9月23日に女子バレー世界選手権が開幕した。

 オランダ、ポーランドでの二国開催で行なわれる大会には24か国が出場。6チームずつ4グループに分かれ、1次ラウンドのそれぞれ上位4チームが2グループに分かれて戦う2次リーグへ進む。そこからさらに上位8チームが3次ラウンドへと進出し、それぞれの組1位と4位、2位と3位といったように2次リーグまでの順位に基づいた準々決勝が行なわれ、ベスト4、決勝進出チームが決まる。

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 9月25日に初戦を迎える日本は1次ラウンドD組となり、コロンビア、チェコ、中国、ブラジル、アルゼンチンと同組になった。このグループでポイントとなるのは、やはりネーションズリーグで敗れたブラジルや、同じアジアの中国との試合だ。しかし、初戦のコロンビアにどんな入り方をするかが、長い戦いを占う一戦になるのは間違いない。

 5年ぶりに指揮を執る眞鍋政義監督のもとメンバーも変わり、今大会が代表初選出となる選手も増えた。そのなかで、チームの柱となるのは、キャプテンの古賀紗理那だ。ネーションズリーグでも全出場選手の中で総得点やアタック決定率で上位につけた攻撃力の高さはもちろんだが、チームを率いる統率力、キャプテンシーも発揮している。

 特に古賀の武器となるのが、後衛センターからのバックアタックであり、そのスピードは眞鍋監督も「世界の監督を驚かせた」と唸るほどだ。所属するNECでもセッターにトスの速さや高さを要求し、同じテンポで打つことに取り組んできたように、日本代表でも関菜々巳、籾井あきといったセッター陣に対して高さとスピードが両立したトスを要求し続けてきた。

 相手チームからすれば、古賀は要注意選手であり、サーブで狙われる場面も多い。しかし、サーブをレシーブしてから攻撃に入る速さも常に意識し続けてきた成果が実り、狙われても崩れない逞しさを身につけた。

 10代から日本代表入りを果たし、2015年のワールドカップでは当時キャプテンを務めた「次代を担う日本のエース」「木村沙織の後継者」と期待を集めたが、16年のリオデジャネイロ・オリンピックはまさかの落選。悔しさをバネに攻撃、守備の両面を磨き、昨夏の東京オリンピックに出場を果たしたが、初戦のケニア戦で負傷退場し、万全の状態で戦いきることができず、日本代表も1次リーグ敗退を喫した。
 
 一度は失意から代表辞退も考えたが、パリ・オリンピックへ向けて再び奮起。コート内でも積極的に周りの選手に声をかけ、自分1人が目立ち、点を取るのではなく、全員で点を取りに姿勢を重視し、宮部愛芽世や佐藤淑乃といった若手選手にも積極的にアドバイスを送るシーンも目立つようになった。

 ネーションズリーグのデータは各国も当然把握しており、世界選手権では古賀に対する徹底マークも予想される。現にネーションズリーグの終盤では古賀が相手ブロックに屈するケースも増えた。しかし、本人もその反省を活かし、セッターとのコミュニケーションを深め課題解決に取り組んできた。

 古賀だけでなく、対角に入ることが予想される井上愛里沙や林琴奈など、攻撃力や技術に長けた選手も揃う。多彩なバリエーションを活かした攻撃を展開できるか。ミドルブロッカーの島村春世や横田真未、山田二千華といった攻撃力に長けた選手も揃い、攻撃の引き出しは着実に増えている。

 そのなかで、まさに日本の必殺技ともいうべき、さらにスピードを増した古賀のバックアタックがどれだけ世界の猛者たちに通用するか。2年後のパリオリンピックで東京オリンピックの悔しさをぶつけ、リベンジを果たすためにも世界選手権で悲願のメダル獲得なるか。切れ味鋭いスパイクだけでなく、コート内での古賀が見せるキャプテンとしての姿にも注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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