エキシビジョンとはいえ、神聖なリングを汚す行為だった。

　世間をざわつかせる騒動が起きたのは、９月25日にさいたまスーパーアリーナで行なわれた「超RIZIN」で実現した元ボクシング世界５階級王者のフロイド・メイウェザー（アメリカ）と、総合格闘家の朝倉未来（トライフォース赤坂）の一戦の直前に行なわれたセレモニーの時だった。

　リング上には、『超RIZIN NFT DIGITAL TICKET』オークションでチケットを420万円という高額で落札した「ごぼうの党」の奥野卓志代表が登壇。そして、花束を手にした同代表はそれをメイウェザーに手渡すようにアナウンスをされたのだが、なんと本人の眼前に投げ捨てたのである。

　同代表の振る舞いはSNSで試合結果以上に話題となるなど大きな物議を醸した。ゆえにRIZINの榊原信行CEOは「日本人の恥をさらすことになったのは本当に悔しい。今後二度とこういうことが起きないように全力を尽くします。許してください！」と、直後に実施された「RIZIN.38」の最中にリング上で異例とも言える謝罪をした。
  　もっとも、「超RIZIN」は世界に発信されていたため、いわゆる“花束投げつけ騒動”には各国メディアも驚きを隠さない。米放送局『FOX Sports』は「サムライのような衣装をまとった男性がメイウェザーの足元に花束を捨てるという奇妙なシーン」と振り返り、「この一風変わったセレモニーに視聴者たちは言葉を失った」と嘆きの声をあげた。

　また、米メディア『Sporting News』のアンドレアス・ヘイル記者は「名誉の花を叩きつけるという行為は無礼だ。これはミクルのためにもならない」とツイート。また、『ESPN』などに寄稿しているダニエル・ヤノフキー記者も「メイウェザーに花を手渡すはずの男がリングに捨てた。あれって変だよね？」と自身のツイッターで違和感を指摘した。

　なお、イベント後の総括会見で榊原CEOは「予期せぬことではあるが、日本中全体に謝罪しなければいけない」と語り、「何が目的かは分からない。何でもかんでもありの時代の悪しき一例。徹底的に向き合いたい」と、今後へ向けて徹底改善していく意向を示している。

構成●THE DIGEST編集部

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