格闘技・プロレス

日本列島を沸かせた熱戦、再び。13年ぶりに実現した“因縁”のオーフレイム戦へバダ・ハリは闘志「ライオンはライオンだ」

THE DIGEST編集部

2022.10.08

互いに笑みを浮かべて向かい合ったバダ・ハリ(右)とオーフレイム(左)。日本でも人気を博した両雄がついに“完全決着”を迎える。(※写真はGLORYより提供)

 かつて日本列島を沸かせた猛者が再び拳を交える。

 現地10月8日、世界最大のキックボクシング団体「GLORY」のイベント「GLORY COLLISION4」がオランダで開催。大注目のメインマッチでは、日本のK-1で活躍していたバダ・ハリ(オランダ)とアリスター・オーフレイム(オランダ)が、約13年ぶりに激突する。

 過去の対戦は2度で、1勝1敗の五分だ。初対戦は2008年の大みそかに行なわれた「Dynamite!!」で、オーフレイムが1回にカウンターの左フックでKO勝利を飾った。しかし、約1年後に実現した「K-1 WORLD GP準決勝」でのリマッチではバダ・ハリが左ハイキックでKO勝ち。リベンジを果たしていた。

 そこから時が流れ、バダ・ハリは37歳、オーフレイムは42歳になった。無論、全盛期は過ぎている。

 バダ・ハリは過去6試合で勝利がなく、今年3月に行なわれた「GLORY 80」でのアルカディウシュ・ゾセク(ポーランド)戦で飛び膝蹴りでダウンを奪われ、なんとか立ち上がるも直後にファンの乱闘騒ぎで試合はノーコンテストとなった。

 一方でオーフレイムも、昨年2月に行なわれた総合格闘技団体「UFC」での    アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)戦でTKO負け。リングに立つのはそれ以来、キックボクシングに限ってみれば12年ぶりの参戦だ。

 ゆえに周囲の厳しい声がないわけではない。元K-1スーパーヘビー級王者で、オランダ格闘技界のカリスマでもあるレミー・ボンヤスキー氏は、母国日刊紙『ED』に寄せたコラムで「2人とも、とにかく勝つことにこだわるべきだ。でなければ、信頼を失う」と記している。
 
 だが、当人たちは周囲の逆風など意に介していない。互いに宿敵との13年ぶりの邂逅に特別な感情を抱いている。米専門メディア『MMA Fighting』の取材に応じたオーフレイムが「俺はバダに愛しかない。本当に尊敬してきたし、あいつはパイオニアの一人で、俺は脱帽するよ」と敬意を評せば、一方のバダ・ハリも「俺もあいつも長年戦ってきた。多くの努力をしてきたのを知っているからこそ、敬意を払わないなんて無理だ」と語った。

 もちろん、かつて"バッドボーイ"を言われたバダ・ハリ節は健在だ。37歳のレジェンドは、こう続けている。

「俺は『アリスターと戦え』と言われたから『わかったよ』と答えただけだ。偉大になるにはこれしかないとも思ったけどね。傷ついたとはいえ、ライオンはライオンなんだ。まぁ見ててくれよ」

 欧州の専門メディア『ACT U MMA』が「ふたりは間違いなく格闘技のパイオニアである。そんな猛者が最後の対戦を果たす」と煽る両雄の闘いはいかなる決着を見るのか――。「THE FINAL ROUND」とも銘打たれた今大会での再戦の行方は大いに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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