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格闘技・プロレス

井上尚弥との“大一番”がついに決定した難敵バトラー。夏に発した忘れがたき言葉「俺はレジェンド級とやる。そういう闘いがしたい」

THE DIGEST編集部

2022.10.13

日本人史上初の4団体統一戦に挑む井上(左)。大一番に向けてはバトラーにも並々ならぬ想いがあるようだ。(C)Getty Images

日本人史上初の4団体統一戦に挑む井上(左)。大一番に向けてはバトラーにも並々ならぬ想いがあるようだ。(C)Getty Images

 ついに大一番が決定した。

 10月13日、ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が、来る12月13日に東京・有明アリーナでWBO世界同級王者のポール・バトラー(英国)と4団体王座統一戦を行なうと正式に発表した。

 今年6月に“宿敵”ノニト・ドネアを264秒でのTKO勝ちという圧巻の内容で打ち破った井上は「4団体統一は年内に本当に実現するのかもしれない」と示唆。これに同月にWBO王者となったバトラーも「イノウエとやりたい」も呼応し、両陣営はタイトルマッチの実現に向けて動き出していた。

 日本人初となる4団体統一王者となれば、井上の声価は青天井で上がっていく。それだけに文字通り世界が注目する一戦となるのは必至だ。そんなビッグマッチの実現が決定したからこそ思い出したいのは、バトラーの言葉だ。
 
 33歳でようやくWBO王座についた英国人戦士。そもそもは、昨年12月に元WBO王者ジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)との対戦決まっていたが、相手が2度も“ドタキャン”(1度目はウイルス性胃腸炎の申告、2度目は規律違反)。土壇場でタイトルマッチが流れる波乱の末にジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王者決定戦を制し、ベルトを手にしていた。

 だからこそ、タイトルへの執念、そして井上との対決には並々ならぬ気持ちがある。今年6月に母国メディア『Boxing News magazine』の取材に応じたバトラーは、カシメロとの一連の騒動を振り返って「ボクシングやベルトに対する敬意が全くないひどいやつを相手にする気はない」とバッサリ。そして、統一戦への想いを滲ませた。

「次にイノウエとやれるなら、俺は絶対的なレジェンド級の相手とやることになる。そういう闘いがしたいんだ。彼は本当に素晴らしいよ。とても賢いファイターで、パンチ力は破壊的だ。ファンとして見ていても楽しい選手なんだ。彼とやれるなら俺も嬉しく思う」

 無論、圧倒的な強さを誇る「モンスター」(井上の愛称)に対する恐怖心がないわけではないだろう。それでも、“真の猛者”に対するリスペクトは欠かない。そんなバトラーがいかなるパフォーマンスを列島で見せつけるのかは実に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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