格闘技・プロレス

“打倒・井上尚弥”への足掛かりに! 評判ガタ落ちのカシメロが約2年ぶり実戦で見せなければいけないもの

THE DIGEST編集部

2022.10.17

再びリングに立つ権利を得たカシメロ。その再起の道のりが注目される。(C)Getty Iamges

 再起を期する元チャンプの次戦が決した。

 10月17日、プロボクシング前WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)が、来る12月3日に韓国は仁川で元東洋太平洋スーパーフライ級王者の赤穂亮(横浜光)とスーパーバンタム級10回戦で激突すると発表した。

 2021年8月のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦以来となる実戦だ。カシメロは昨年12月のポール・バトラー(英国)戦では、ウイルス性胃腸炎を患ったとして試合を"ドタキャン"。その後、仕切り直しとして組まれた今年4月では減量目的によるサウナ使用が発覚。これが英国内の規約違反に該当したために試合中止になり、32歳のフィリピン人ファイターは、WBOから王座を剥奪された。

 バンタム級ではWBAスーパー&IBF&WBC世界同級3団体統一王者である井上尚弥(大橋)との対戦も期待されたカシメロ。タイトル戦線から大きく後退した"問題児"はスーパーバンタムに階級を上げ、2016年5月から負けなしの13連勝を維持する赤穂と対戦を決意。度重なる失態によって失った信頼の回復を含めた再起を目指すようだ。
 
 4度の防衛実績もあるカシメロのスーパーバンタム級でのリスタートには母国メディアも反応。フィリピン国内で最大級のネットワークを誇る『GMA Network』は「バトラーに対して2度の失敗でタイトルを失ったカシメロは、日本人とリング上で向き合うことを決めた」と報道している。

 もっとも、カシメロの最終的な目標は"モンスター"こと井上との対戦だ。17日の会見でも「次はイノウエとやりたい」とコメントしているあたりにも、その意思は感じられる。だが、以前から「あいつは亀野郎」「イノウエに勝てるのは俺だけ」と日本が誇る最強王者に挑発的な言動を繰り返してきた32歳は、ここ数年の失態によって、井上陣営を含めて、周囲のライバルたちからは"総スカン"を食らっている感が否めない。

 無論、誰にでも再起の権利はある。ゆえにカシメロは来る赤穂戦では正当に勝負をし、バンタム級のタイトルを獲得した実力を世間に知らしめる必要があると言えそうだ。

 はたして、カシメロはいかなるパフォーマンスを世界に見せるのか。赤穂の闘いぶりを含めて注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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