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バレーボール

【女子バレー】東京五輪での“絶望”から日本代表はいかに立ち直ったのか?眞鍋監督の掲げる「チーム一丸」と育成の秘訣

THE DIGEST編集部

2022.10.18

選手と積極的にコミュニケーションを図る眞鍋監督。細やかな気配りも忘れない。(C)Getty Images

選手と積極的にコミュニケーションを図る眞鍋監督。細やかな気配りも忘れない。(C)Getty Images

 女子バレー世界選手権が10月15日(日本時間16日)閉幕した。優勝はセルビア、準優勝はブラジル、3位はイタリアで日本は最終成績を5位で終えた。

【動画】フルセットへもつれ込む激闘! 日本vsブラジル戦ハイライト

 メダル獲得には届かなかったが、ベスト8進出という大会前に掲げた目標をクリアした。何より準々決勝のブラジル戦は結果的に準優勝を果たしたブラジルから2セットを先取し、勝利まであと一歩と迫る熱戦を展開した。大会前には昨夏の東京オリンピックでの1次グループリーグ敗退という印象も強く、女子バレー日本代表を不安視する声も多かったが、見事にはねのける形となったのではないだろうか。

 大会前はエースの古賀紗理那に注目が集まっていたが、3戦目の中国との試合中に古賀が負傷。欠場を余儀なくされる中、4戦目のブラジル戦に抜擢された石川真佑が攻撃面において大活躍を見せただけでなく、大会を通して高い攻撃力を見せた井上愛里沙、攻守で抜群のバランスを発揮した林琴奈、大会終盤につれて急成長を遂げた山田二千華、リベロの福留慧美といった新戦力も世界と渡り合う姿を強く印象付ける大会になったのも大きい。
 
 紐解けば、アンダーカテゴリーから長期間に及ぶスパンで選手強化に励んだ成果が実っているのだが、シニア代表としては経験の浅い選手の才能も開花させたのは、5年ぶりに指揮を執る眞鍋政義監督の功績も大きい。前回指揮を執った09年から12年のロンドン五輪にかけて、さらには13年から16年のリオ五輪に向かう日本代表を率いる際も選手とスタッフが一体となったファミリー感を打ち出し、まずは全員がコミュニケーションを取ることを重視してきた。

 練習時や試合時のやりとりだけでなく、練習前後やちょっとした時間の会話も重んじ、選手が髪型を変えた時などは女性マネージャーから情報を得て変化を伝えるなど、何気ない気遣いも怠らない。選手と距離感を置くのではなく、直接対話しやすい雰囲気をつくることに加え、サーブ、ブロック、ディフェンスなどそれぞれの分野に専門のコーチを置いて、選手が聞きたいことを誰に聞けばいいのか。責任や役割分担も明確にした。
 
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