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「隠すのは間違っている」ワリエワの“ドーピング問題”にプルシェンコ妻が言及!子どものために「調査結果を公開すべき」と指摘

THE DIGEST編集部

2022.11.15

団体戦直後にドーピング陽性反応が発覚したワリエワ。(C)Getty Images

 女子フィギュアスケーター、カミラ・ワリエワ(ROC)のドーピング疑惑を巡り、ロシア国内でも緊迫した状況が続いている。

 北京五輪フィギュアスケート団体戦で金メダルに貢献したワリエワ。しかし喜びも束の間、メダルを受賞しようとした矢先、昨年の12月25日に採取した検体から禁止薬物が検出されたことが発覚したのだ。

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 その後、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が調査に乗り出し、先月21日、ドーピング検査結果を当時15歳(現在16歳)という「保護対象者」であったことを理由に「公表しない」と声明を出した。

 8か月経過してもなお「進展がない」状況を見かねたWADA(世界ドーピング防止機構)は、4年間の出場停止と北京五輪での団体金メダルはく奪(2021年12月25日を含む彼女が出場した大会を失格)を求めたと、11月14日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が発表した。

 これにはロシア国内では偉才を擁護する意見がある一方、厳しい声が出ているのも事実だ。フィギュアスケート界の皇帝エフゲニー・プルシェンコ氏の妻で大物音楽プロデューサーであるヤナ・ルドコフスカヤ氏はこの件について、「私たちはカミラの無実を信じています。だけどこのままにしていてはいけない」と同国放送局『Match TV』で言及した。
 
「カミラの運命だけでなく、五輪でロシアの名誉を守った我々のチームの運命も、この結果にかかっている。非常に深刻な問題であり、起きたことを隠すのは間違っている。みんな何かが隠されているような気がして、複雑な気持ちになる」

 そして同氏は、「無実であるなら無罪になるべきだし、証拠があるなら公表すべきだと思う。今回の事件で、国際大会に出場停止になる理由をつくってはいけない」と言い切り、「カミラは保護対象者ではあったものの、ロシアのシニアチームのメンバーの一人として五輪に出場していた。だから調査結果を公開すべきだ」と続けた。

 五輪を夢見る生徒を指導する夫が身近にいることからも、ルドコフスカヤ氏は「ロシア代表が失格になるのは大きな代償をともなう」と懸念しており、「この事件のせいで何千人もの少年少女が苦しみ、夢を見る権利さえも奪うようなことがあってはならない」と子どもたちの将来を慮った。

 果たしてCASは、どのような決断を下すのか。世界最高得点を持つ"天才少女"の行方に世界のフィギュアファンが注目する。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ドーピング疑惑が浮上した直後のワリエワの練習様子

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