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フィギュア

「プロローグは自分の半生」羽生結弦が吐露した“3.11”への想い。来年の東京ドーム公演は「絵本のような物語」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.12.06

単独アイスショー「プロローグ」の千秋楽を迎えた羽生。完走した思いを吐露した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

単独アイスショー「プロローグ」の千秋楽を迎えた羽生。完走した思いを吐露した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 12月5日、フィギュアスケート男子シングルでオリンピック2連覇を達成したプロスケーター・羽生結弦の単独アイスショー『プロローグ』が青森県のフラッチ八戸で千秋楽を迎えた。同時に、新たなアイスショー『GIFT』を来年2月26日に東京ドームで開催するとも発表した。

 羽生は、自ら企画した初の単独アイスショー『プロローグ』の横浜・八戸公演について、「プロとして最初のアイスショーというのもあったので、特に一番気をつけないといけないことは、怪我をするっていうことだと思っていました。大きな怪我もなく、最後までこうやって完走し切れたことは、本当に大きな経験になったかなと思います」と無事に全公演を滑り切れたことに安堵した。

 無事に完走できたことに、2度のオリンピック王者は手応えを感じるとともに、競技者としてのプライドものぞかせた。

「最初から最後まで全力でした。最後まで体力を残しながら、全力を出し切ることをやっていかないといけないので。すごく大変なショーではありました。ただ大きな崩れもなく、最後までジャンプをしっかり決め切れて演技できたことは、競技的な観点かもしれないですけど、ジャンプを決めて、全部ノーミスでやれたことは、自分にとっても自信になりますし、いい演技を届けられたという達成感にもなっています」

「過度の緊張だったり、プレッシャーだったり、いろんなことがありましたけど、それでも多くのスタッフの方に支えて頂きながら、こうやってプロとして活動していくんだなと改めて実感しました。自分の力だけじゃなく、(スタッフなどに)頼りながらもプロとして頑張っていこうと思っています」
 
 この最終公演に、”八戸”という場所を選んだ理由について羽生は、「たまたま」と笑いを誘ったが、『プロローグ』に込めた東北への想いを巡らせる。

「自分としては、東北で何とかやりたいという気持ちは、もちろんありました。東北の地でやるのであれば、このプロローグの自分の半生みたいなものを描いている中に“3.11”があるように、きっとこのショーを見に来て下さっている方々の中にも、“3.11”っていう傷が残っていると思う」

「僕が(2011年)3月に被災をして、アイスリンク仙台が使えなくなってしまった後に、東神奈川のリンクでお世話になりました。その後に、八戸の方でも『電気とかは使えないけど、滑っていいよ』と言って頂いて。節電の状態で電気もつけないで、たぶん天井をちょっと開けることができるんですけど、その明かりだけでプログラムを作ったりとか。体力トレーニングをさせて頂いた。そういう意味でも、八戸にはお世話になりました」
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