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格闘技・プロレス

「イノウエは空想の産物ではない」“史上初”の完全王者となった井上尚弥に欧州紙も脱帽!「もう対戦相手が見当たらない」

THE DIGEST編集部

2022.12.17

バトラーに容赦のないパンチを浴びせ、KO勝ちを収めた井上。彼の図抜けた強さに賛辞が止まらない。写真:AP/アフロ

バトラーに容赦のないパンチを浴びせ、KO勝ちを収めた井上。彼の図抜けた強さに賛辞が止まらない。写真:AP/アフロ

 去る12月13日、ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)は、東京・有明アリーナでWBO同級王者ポール・バトラー(英国)との4団体統一戦に臨み、11回1分9秒KO勝ち。史上9人目の完全統一を成し遂げた。
【動画】猛ラッシュで沈んだバトラー。井上の怪物級のKOシーンをチェック

 序盤こそ相手の堅い守りにやや苦戦した井上。だが、一向に反撃に出てこないバトラーを見るや、攻めに攻めた。8回には両手を後ろに回してのノーガードモーションを取るなど、“あえて”挑発的に振る舞うなど格の違いを見せつける。そして最後は渾身のボディブローからの猛ラッシュで34歳の英国人戦士をリングに沈めた。

 アジア人では史上初となる4団体のベルトを手にした井上。彼の異次元の強さには、欧州メディアもただただ称賛の言葉を並べている。ドイツの日刊紙『Frankfurter Allgemeine Zeitung』は「もう対戦相手が見当たらない。ナオヤ・イノウエが目指すメガスター像」と銘打った特集記事を掲載している。

 同紙はボクシング界の17階級において「それぞれの連盟が独自のタイトルホルダーを擁しており、混乱は常態化している」と説き、「圧倒的なイノウエの存在はひと際異彩を放っている」と強調。さらにバトラー戦のKOシーンを「爆発的な右のボディから繰り出される強烈なパンチの連打で終わらせた。相手は立ち上がろうとしても、表情を曇らせるしかできなかった」と描写し、“モンスター”がいかに図抜けた強さを誇っているかを論じた。

「イノウエは10年前のデビュー以来、24戦無敗を維持しており、ほぼ90%に達しているKO率はマイク・タイソンに匹敵する。10代で世界的なボクシングチャンピオンになった彼の快進撃は、まるで漫画の世界から抜け出してきたかのような大胆に見える。しかし、イノウエがリング上で繰り広げる“破壊の嵐”は、決して空想の産物ではない。29歳の日本人は、挑戦者がそれに値しないほど、階級の格を上げてきた」
 
 さらに井上が契約している米プロモート会社『Top Rank』のCEOで、ボクシング界の重鎮であるボブ・アラム氏による「イノウエはマニー・パッキャオのようなスターになれる」というコメントを紹介した同紙は、次のように続けている。

「世界が恐れるイノウエはメガスターになれると我々は確信している。6歳の頃から父であるシンゴさんに鍛え上げられたイノウエは、両拳で等しく相手を揺さぶることができる力を身に着けた。そして、相手のわずかな隙を見逃さない優れた観察眼と、絶え間ないプレッシャーで大きなストレスを与え、妥協を許さない“フィニッシャー”となっている。そんな彼の前に相手はもはや存在しない」

 バトラー戦後のフラッシュインタビューで「スーパーバンタムに上げて、トップ戦線に入っていきたいなと」と明言した井上。同級ではスティーブン・フルトン(米国/WBC、WBO)、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン/WBAスーパー、IBF)が、それぞれベルトを保持し、圧倒的な存在感を放っているが、この両雄といかに絡んでいくかは実に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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