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ゴルフ

渋野日向子の“改造計画”は失敗だったのか?スイング以上に急を要する“課題”を専門ライターが指摘!

山西英希

2022.12.22

今季から米国ツアーに本格参戦する渋野。いまいちな成績はスイング改造によるものなのか?(C)Getty Images

今季から米国ツアーに本格参戦する渋野。いまいちな成績はスイング改造によるものなのか?(C)Getty Images

 22年はルーキーとして米女子ツアーで戦い抜いた渋野日向子。CMEグローブポイントランキングで36位に入り、自身の第1目標であるシード権を獲得したものの未勝利に終わった。同じルーキーとして臨んだ古江彩佳が1勝を挙げ、CMEグローブポイントランキングでも17位に入ったことを考えれば、メジャー優勝者である渋野の成績に納得がいかない人も多いだろう。

 彼女が大きな成績を残せなかった原因のひとつに現在進行中のスイング改造にあると指摘するゴルフファンも少なくない。果たして渋野が取り組んでいる改造計画は失敗だったのだろうか。

 19年に『AIG全英女子オープン』を制した渋野。彼女はさらなる高みを目指し、シーズンオフからスイング改造と肉体改造に取り組んだ。しかし、20年は12月に開催された『全米女子オープン』でこそ4位に入ったが、全体的に思うような結果を残せず。ここでより細かなスイング改造に着手する。

 21年はトップの位置を低くして、フラットなスイング軌道のスタイルで登場し、それが現在でも続いている。だが、22年のスタッツを見ると、ドライビングディスタンスが257・65ヤード(76位)、フェアウェイキープ率が77・26%(41位)となっており、飛距離よりも方向性に利があると言える。

 ちなみに渋野が絶好調だった19年のドライビングディスタンスは248・21ヤードで、フェアウェイキープ率は67・95%、20‐21年のドライビングディスタンスは245・28ヤード、フェアウェイキープ率は71・00%だった。
 
 国内ツアーと米ツアーではコースレイアウトやセッティング、天候や地面の硬さなども大きく異なるため、単純に比較はできないが、飛んで曲がらないスイングに向かって前進しているのは確かだ。将来的にはどちらの数字も今以上に上げていきたいところだが、その可能性は十分あると感じられる。実際、本人もドライバーショットに関しては、「振り切れるようになったし、タイミングよく振ることができています」と語っている。

 ただ、アイアンショットに関しては、シーズンを通してのパーオン率69・37%(71位)が示すように納得していない。

「9月は特に自分が一番嫌いな引っかけのミスが出ていて、そこをどうしても修正したく思っていました。終盤になってようやく左へのミスが無くなったことで、出口が見えてきたと思います」と一時は前向きだった渋野。ところが、シーズン終盤になって左への引っかけがまた出始めてしまい、スイング改造に対する発言まで変わってきた。
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