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フィギュア

「自分の底力」SP2位三原舞依がGPファイナルで得た自信「どんな状況でもできるのがアスリート」フリーへ万全調整【全日本フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.12.23

SP演技後、三原からガッツポーズが飛び出した。GPファイナル女王として初の全日本優勝を視界に捉えた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

SP演技後、三原からガッツポーズが飛び出した。GPファイナル女王として初の全日本優勝を視界に捉えた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 フィギュアスケートの全日本選手権が22日から開幕し、初日から熱戦が展開されている。

 女子ショートは坂本花織が首位発進。明日のフリーに向け、全日本2連覇を射程圏内に捉えている。一方、GPファイナル女王の三原舞依は74.70点で坂本に次ぐ2位。得点差はわずか3.09点で、ショート2位で逆転優勝したGPファイナルの再現を狙う。
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 全日本開幕前の21日、三原はGPファイナル制覇から約2週間、休む暇なく迎え「足が重たい」と本音をこぼし、「なかなか疲れが取れていない。こっちに来るまでの練習はきつかった」と正直に語ったが、見事な底力を発揮した。

 三原はショート曲『戦場のメリークリスマス』の音色に乗ってダブルアクセル、3回転フリップと好調なスタートを切る。後半のコンビネーションジャンプは2つ目の3回転トゥループに回転不足がついてしまったが、スピンは全て最高評価レベル4の判定をもらい、GPファイナル女王の面目を保った。演技後には両手でガッツポーズも飛び出し、笑顔がこぼれた。

 注目の得点は74.70点。2週間前のGPファイナルより0.12点超える自己ベストをマークした。「しっかり1つひとつ集中して滑れたので良かったです。最後の3回転-3回転が満足する出来ではなかったですけど、全日本のショートを最後まで滑ることができたのは先生や家族、皆さんのおかげなので良かったなと思います」と三原は周囲への感謝も忘れなかった。

 続けて、疲労も溜まっていたなか「どんな状況になってもできるのがアスリートだと自分では思っているので、こういう時にこそ、自分の底力というか、しっかりマックスの演技を考えながらやってきているので」と述べている。GPファイナルを制した自信が、彼女をより強くさせたのだろうか。
 
 国内女王の座を懸けたフリーについては「ガラっと変わる雰囲気なので、今シーズン出た試合のなかでも最高な演技にしたい」と改めて決意を語った。

 フリーの前日練習となった23日、三原は伸びのあるスケーティングと安定感あるジャンプで、本番に向けて順調な調整をアピール。観客も三原への期待は大きく、拍手を送っていた。世界女王・坂本花織の壁は厚いが、幾度の逆境をバネにしてきた彼女なら乗り越えることも可能だろう。

 坂本以外にも、17歳の千葉百音や14歳の島田麻央といったジュニア勢、元全日本女王の紀平梨花、大技で一発逆転を狙う渡辺倫果や河辺愛菜など、気が抜けない強敵が揃う。はたして、国内ナンバー1には誰が君臨するのだろうか。女子シングルは24日に、完全決着する。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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