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格闘技・プロレス

「イノウエはバンタム級のカネロだ」バトラーが井上尚弥戦の“亀戦法”の真意を告白「隙を狙い続けたがドカンってね」

THE DIGEST編集部

2022.12.25

井上の挑発にも乗らずに隙を狙い続けたバトラー。しかし、彼は為す術なく打ち破れた。(C) AP/アフロ

井上の挑発にも乗らずに隙を狙い続けたバトラー。しかし、彼は為す術なく打ち破れた。(C) AP/アフロ

 防戦一方となった英国人ファイターのパフォーマンスは波紋を呼んだ。去る12月13日に東京・有明アリーナで、ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)と対峙したWBO同級王者ポール・バトラー(英国)だ。

 井上と対峙したバトラーは「出てきた時を狙った」と語ったように守勢を決断。だが、予想をはるかに上回る“モンスター”のプレッシャーを前に「隙が無かった」。眼前に立ちはだかった29歳の日本人戦士が両手を後ろに回してのノーガードモーションを取っても、カウンターを警戒するあまりに打ち出せず……。最後は為す術なく相手の渾身ボディを被弾。猛ラッシュで畳みかけられてKO負けを喫した。

 実力差が如実に表れた結果だとは言える。しかし、試合後に井上が「本当に勝つ気があるのか」と指摘した影響もあり、バトラーの消極的なパフォーマンスには非難が殺到。同胞でもあるIBF世界フライ級王者のサニー・エドワーズが「気分が悪くなる」と断じたように、英国内でも“亀戦法”は糾弾された。

 母国でも批判を受けたバトラー。無論、当人は相次ぐ批判を納得していない。米老舗専門誌『The Ring』の取材に応じた34歳は、「試合の後で、モノを言うのは簡単なことだ」と反論。そして「頭の中では自分自身に『ここでカウンターだ』と言っている」とリング内での心境を告白した。

「イノウエは一度ではなく、何度も打ってくるから難しいんだよ。向こうのパンチにカウンターを合わせられたら良かったけど、当て込んだ途端に、彼はそれにすぐさま合わせてくる。しかも普通のワンツーじゃない。体重も乗ってる。向こうはイライラしていたとは思うけど、うまくいかなかった。俺はミスだけは冒さないように隙を狙い続けたが、そしたらドカンってね……捕まったんだ」
 
 さらに「イノウエはとても特別なボクサーだ。両手で強いものを打てるし、パンチも多彩だ。俺のディフェンスはとても良かった。彼は俺のほぼ全てのパンチが見えていた」と実際に対峙して感じた井上の凄みを淡々と語った。

「とにかくクリーンヒットをさせないということ以外に、イノウエに対して、やれることはない。俺は世界チャンピオンだが、彼は素晴らしいんだ。イノウエはバンタム級のカネロさ。本当に優秀なんだ。イノウエの手にはレンガがあるに違いないと思う。実際にパンチを受けてから、かなりショックを受けたよ」

 インタビューで井上戦を振り返ったバトラーは「明日引退しても問題ない」とも宣言。そして「経済的に安定している。バンタム級で経済的に安全が確保されている選手は他にいる? 頭に浮かんでこない」と語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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