12月25日、フィギュアスケートの全日本選手権が終了すると同時に、来年3月にさいたまスーパーアリーナで開催される世界選手権の代表メンバーが発表された。
何かと不透明な部分が多い同メンバー選考は、はたして今回も物議を醸した。とりわけ男女のシングル代表選考に疑問の声が大きく上がった。選ばれたのは、男子は宇野昌磨(トヨタ自動車)、山本草太(中京大学)、友野一希(上野芝スケートクラブ)。女子は、坂本花織(シスメックス)、三原舞依(シスメックス)、渡辺倫果(法政大学)の3名ずつだ。
男子では全日本選手権2位の島田高志郎(木下グループ)が漏れ、女子は12位の渡辺が選出されるなど、納得がいかない選考であったのは無理もない。これには宇野も「僕が言うことではないですけど、この選考基準というのは、どういったものか分からない。あまり嬉しく思えない部分もある」と思わず会見で本音を漏らしていたほどだ。
日本スケート連盟が今年9月に発表した派遣選手選考基準を改めて見直すと、以下のように定められていた。
1、全日本選手権大会優勝者を選考する。
2、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して1名選考する。
A) 全日本選手権2位、3位の選手
B) ISU グランプリファイナル出場者上位2名
C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名
3、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、上記1、2で選考された選手を含め、3名に達するまで選考する。
A) 2の A)B)C)に該当し、2の選考から漏れた選手
B) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位3名
C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3名
D) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会(東日本選手権、西日本選手権、東日本ジュニア選手権、西日本ジュニア選手権・全日本ジュニア選手権、全日本選手権)におけるシーズンベストトータルエレメントスコア(最も高かったショートプログラムとフリースケーティングのTotal Element Score合計得点)上位3名
これまでも数々の大会を取材してきた米名物記者のジャッキー・ウォン氏も、ハイレベルな日本選手の選考に注目。そして、先述の選考基準をふまえて「シマダとトモノのタイブレークは、おそらく今シーズンのTES(技術点)だ。トモノの方が国際大会でより良い成績を残している」と最後の1項目で友野が勝っていたと説明。つまりスケート連盟は1で宇野、2で山本、3で友野を選んだという指摘だ。
さらに女子の方は今大会12位ながら選出した渡辺は、グランプリファイナルで坂本を上回り4位と健闘したこともあり、1で坂本、2で三原を選択した場合、3のA、B、Cで渡辺が浮上してくるので、順当に選んだとも捉えられる。
だが、ウォン氏は、「ということは他のシニア勢が3位以内に入っていない限り、リンカ・ワナタベは、全日本選手権の成績がどうであれ世界選手権はほぼ確定していたようなものなのか」と言及している。
当初の選考基準に則って代表が決まっているが、わだかまりを感じた人が多かったこの選考会。日本一を争う大会で成績を残した選手が、正当に評価される基準が求められているのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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【関連記事】「どういったものか分からない」宇野昌磨が日本代表の選考基準に苦言!「これ以上言うことではない」と言及控える【全日本フィギュア】
何かと不透明な部分が多い同メンバー選考は、はたして今回も物議を醸した。とりわけ男女のシングル代表選考に疑問の声が大きく上がった。選ばれたのは、男子は宇野昌磨(トヨタ自動車)、山本草太(中京大学)、友野一希(上野芝スケートクラブ)。女子は、坂本花織(シスメックス)、三原舞依(シスメックス)、渡辺倫果(法政大学)の3名ずつだ。
男子では全日本選手権2位の島田高志郎(木下グループ)が漏れ、女子は12位の渡辺が選出されるなど、納得がいかない選考であったのは無理もない。これには宇野も「僕が言うことではないですけど、この選考基準というのは、どういったものか分からない。あまり嬉しく思えない部分もある」と思わず会見で本音を漏らしていたほどだ。
日本スケート連盟が今年9月に発表した派遣選手選考基準を改めて見直すと、以下のように定められていた。
1、全日本選手権大会優勝者を選考する。
2、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して1名選考する。
A) 全日本選手権2位、3位の選手
B) ISU グランプリファイナル出場者上位2名
C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名
3、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、上記1、2で選考された選手を含め、3名に達するまで選考する。
A) 2の A)B)C)に該当し、2の選考から漏れた選手
B) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位3名
C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3名
D) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会(東日本選手権、西日本選手権、東日本ジュニア選手権、西日本ジュニア選手権・全日本ジュニア選手権、全日本選手権)におけるシーズンベストトータルエレメントスコア(最も高かったショートプログラムとフリースケーティングのTotal Element Score合計得点)上位3名
これまでも数々の大会を取材してきた米名物記者のジャッキー・ウォン氏も、ハイレベルな日本選手の選考に注目。そして、先述の選考基準をふまえて「シマダとトモノのタイブレークは、おそらく今シーズンのTES(技術点)だ。トモノの方が国際大会でより良い成績を残している」と最後の1項目で友野が勝っていたと説明。つまりスケート連盟は1で宇野、2で山本、3で友野を選んだという指摘だ。
さらに女子の方は今大会12位ながら選出した渡辺は、グランプリファイナルで坂本を上回り4位と健闘したこともあり、1で坂本、2で三原を選択した場合、3のA、B、Cで渡辺が浮上してくるので、順当に選んだとも捉えられる。
だが、ウォン氏は、「ということは他のシニア勢が3位以内に入っていない限り、リンカ・ワナタベは、全日本選手権の成績がどうであれ世界選手権はほぼ確定していたようなものなのか」と言及している。
当初の選考基準に則って代表が決まっているが、わだかまりを感じた人が多かったこの選考会。日本一を争う大会で成績を残した選手が、正当に評価される基準が求められているのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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