ラグビーの大学選手権は1月2日、東京・国立競技場で準決勝を迎える。2連覇を目指す帝京大を軸に学生王者を決める大会は、新星候補が競演するステージでもある。
折しも国内トップのリーグワンは、アーリーエントリー制度を導入した。これまで大卒ルーキーの「リーグワン」デビュー解禁は毎年4月1日以降だったが、今季からは選手権決勝(今年は8日、国立で開催)を終えると目下開催中のレギュラーシーズンで出番を狙える。すでに大学でのシーズンを終え、加入予定のチームで練習を始める選手もいる。
すでに日本代表でも活躍する李承信、ワーナー・ディアンズは、それぞれ今の大学4年生、同2年生と同学年だ。早くから才能を開花するアスリートが増えることには、多くの代表常連組も好意的に受け入れている。
本稿で紹介する選手権の主役候補もまた、次世代のスター候補として注目されている。
●高本幹也(帝京大・4年)/スタンドオフ/172センチ・83キロ
2017年まで選手権9連覇を果たした強豪にあって、2年時から司令塔のポジションを担う。
「全体を見るようにしている」との言葉通り、常に両軍の陣形、フィールド上のスペースを精査する。
接点と自身の立ち位置との距離感を適宜、調節し、いざボールをもらえば防御へ仕掛けながらの長短のパス、多彩なキックで味方を前進させる。自在に減速、加速する走りも魅力だ。
帝京大を1年で退学した李とは、中学時代から交流がある。選手権終了後は、アーリーエントリーを利してリーグワンで躍動するのを期待される。本人も早期挑戦を希望するが、いまは「(先のことは)そこまで考えていない」。学生生活最後の熱戦にあって、チームワークを紡ぐ。
●江良颯(帝京大・3年)/フッカー/171センチ・105キロ
再び常勝集団を目指す帝京大にあって、部是である「痛いプレー」で際立つ。要は、激しい突進、タックルをひたすらに繰り返す。
スクラムの最前列では組む前、組んだ瞬間、組んだ後ともに背中を真っすぐに保つ。後ろの味方からの押しを受け、相手の塊を一気に切り裂く。対戦相手の証言によれば、レフリーとの紳士的な対話術も備えている様子だ。力が強いうえ、駆け引きにも長ける。
今季はライバルの早稲田大にあって、綺羅星と称される佐藤健次がナンバーエイトからフッカーへコンバートしていた。江良は「いい選手ですが、負けたくない」と対面対決に燃え、秋の直接戦時には一日の長を示した。今季中の再戦があるとすれば、8日の決勝戦か。何よりこのライバルストーリーは、ふたりが現役のうちはずっと続きそうだ。
●宮尾昌典(早稲田大・2年)/スクラムハーフ/165センチ・70キロ
器用でパワフルな同期の佐藤健次とともに、1年時から主力入りした。日本で古くから求められるスクラムハーフ像に、限りなく近い資質を持つ。
球のありかへ素早くたどり着けて、球をすぐに拾ってすぐに投げられ、パスそのものの精度と距離にも自信を持てる。仲間が抜かれた際には、危険地帯へ先回りして好タックルを放つ。
何より得難いのは、勝負の肝を見抜く視線だ。
開催中の大学選手権、準々決勝では、対する明治大の攻撃傾向を読み切ってインターセプトを決めた。そのまま約80メートルを独走し、決定的なトライをマークした。「全て(のプレー)を強みにしたい」と息巻く。
面識のない父方の曽祖父がドイツ人とあり、栗色に光るストレートヘアも印象的だ。
折しも国内トップのリーグワンは、アーリーエントリー制度を導入した。これまで大卒ルーキーの「リーグワン」デビュー解禁は毎年4月1日以降だったが、今季からは選手権決勝(今年は8日、国立で開催)を終えると目下開催中のレギュラーシーズンで出番を狙える。すでに大学でのシーズンを終え、加入予定のチームで練習を始める選手もいる。
すでに日本代表でも活躍する李承信、ワーナー・ディアンズは、それぞれ今の大学4年生、同2年生と同学年だ。早くから才能を開花するアスリートが増えることには、多くの代表常連組も好意的に受け入れている。
本稿で紹介する選手権の主役候補もまた、次世代のスター候補として注目されている。
●高本幹也(帝京大・4年)/スタンドオフ/172センチ・83キロ
2017年まで選手権9連覇を果たした強豪にあって、2年時から司令塔のポジションを担う。
「全体を見るようにしている」との言葉通り、常に両軍の陣形、フィールド上のスペースを精査する。
接点と自身の立ち位置との距離感を適宜、調節し、いざボールをもらえば防御へ仕掛けながらの長短のパス、多彩なキックで味方を前進させる。自在に減速、加速する走りも魅力だ。
帝京大を1年で退学した李とは、中学時代から交流がある。選手権終了後は、アーリーエントリーを利してリーグワンで躍動するのを期待される。本人も早期挑戦を希望するが、いまは「(先のことは)そこまで考えていない」。学生生活最後の熱戦にあって、チームワークを紡ぐ。
●江良颯(帝京大・3年)/フッカー/171センチ・105キロ
再び常勝集団を目指す帝京大にあって、部是である「痛いプレー」で際立つ。要は、激しい突進、タックルをひたすらに繰り返す。
スクラムの最前列では組む前、組んだ瞬間、組んだ後ともに背中を真っすぐに保つ。後ろの味方からの押しを受け、相手の塊を一気に切り裂く。対戦相手の証言によれば、レフリーとの紳士的な対話術も備えている様子だ。力が強いうえ、駆け引きにも長ける。
今季はライバルの早稲田大にあって、綺羅星と称される佐藤健次がナンバーエイトからフッカーへコンバートしていた。江良は「いい選手ですが、負けたくない」と対面対決に燃え、秋の直接戦時には一日の長を示した。今季中の再戦があるとすれば、8日の決勝戦か。何よりこのライバルストーリーは、ふたりが現役のうちはずっと続きそうだ。
●宮尾昌典(早稲田大・2年)/スクラムハーフ/165センチ・70キロ
器用でパワフルな同期の佐藤健次とともに、1年時から主力入りした。日本で古くから求められるスクラムハーフ像に、限りなく近い資質を持つ。
球のありかへ素早くたどり着けて、球をすぐに拾ってすぐに投げられ、パスそのものの精度と距離にも自信を持てる。仲間が抜かれた際には、危険地帯へ先回りして好タックルを放つ。
何より得難いのは、勝負の肝を見抜く視線だ。
開催中の大学選手権、準々決勝では、対する明治大の攻撃傾向を読み切ってインターセプトを決めた。そのまま約80メートルを独走し、決定的なトライをマークした。「全て(のプレー)を強みにしたい」と息巻く。
面識のない父方の曽祖父がドイツ人とあり、栗色に光るストレートヘアも印象的だ。