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「濡れた爆竹程度の満足感」WBA王者の地元記者が井岡一翔のドロー防衛を酷評!「フランコは勝利を主張すべき」

THE DIGEST編集部

2023.01.02

日本初の2階級王座統一を目指した井岡。ドロー決着でベルトは死守したが、試合後は笑顔はなかった。(C)Getty Images

 2022年の大晦日に行なわれたWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)とWBA世界スーパーフライ王者ジョシュア・フランコ(米国)の同級世界タイトル統一戦は12ラウンドの末に判定引き分けで終了。井岡はWBO王座6度目の防衛に成功したが、ミニマム級に続いて日本人初の2階級での2団体王座統一の偉業はお預けになった。
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 試合は1回からWBA王者フランコが常に先手を奪い、WBO王者の井岡がパンチを返すといった、カウンターを狙うレベルの高い技術戦の展開に。クリーンヒットの的中率で上回る井岡と、手数と積極性で上回るフランコのどちらにポイントを与えるか、非常に難しい試合となった。

 注目の判定結果は、ジャッジ3人のうち2人が114-114、1人はフランコを115-113で支持したがマジョリティードローと発表され、両者痛み分けの引き分けとなった。

 WBA王者の地元米紙『San Antonio Express News』のジョン・ウィスラー記者は大晦日に開催された2022年最後の世界タイトルマッチを「WBAとWBOのベルト統一戦は、濡れた爆竹程度の満足感しかなかった」と酷評している。
 
 現地1月1日に掲載された記事内で「WBA王者フランコとWBO王者カズト・イオカの試合は12ラウンドのテンポ良い試合でマジョリティードローに終わった。両者は115ポンドのチャンピオンベルトを保持し、王座統一は達成されなかった」と試合結果に触れつつ、積極的に手数を出していたフランコ陣営にとって、ホーム寄りと言われる判定にいささか不満が残る結果だったという見解を述べている。

「フランコは2週間前に日出ずる国へ行き、15時間の時差に慣れ、長く過酷なトレーニングキャンプの仕上げをしたのだが、それは大晦日の冷たい現実として突きつけられている。彼はサンアントニオのボクサーとして初めて統一戦に勝ち、同時に2つのベルトを保持することを望んでいた。27歳は、試合に勝ったことを強く主張することができる」

 試合後、フランコのトレーナーを務めたロバート・ガルシア氏はツイッターに「私たちが望んでいた、あるいはふさわしいと思った結果ではない」とツイートしているが、フランコ自身はWBO王者に対し、「偉大なチャンピオンであるイオカには敬意しかない。近いうちにまた会って、ファンにまた素晴らしい試合をお見せしたい」と再戦を熱望するコメントを残している。

 2022年の大晦日を大いに盛り上げた世紀の一戦。はたして、このあと進展はあるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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