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失格者は例年の2倍!? より厳密になったスキージャンプのスーツ違反に欧州メディアは警鐘「苦い出来事が繰り返されている」

THE DIGEST編集部

2023.01.11

女王として日本での華々しい跳躍が期待されたクラマー。しかし、彼女は厳しいジャッジによって失格者となった。(C)Getty Images

女王として日本での華々しい跳躍が期待されたクラマー。しかし、彼女は厳しいジャッジによって失格者となった。(C)Getty Images

 昨年2月に開催された北京五輪で波紋を広げた“ジャッジ”は、いまだスキージャンプ界で物議を醸しているようだ。1月8日に行なわれた札幌市・大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ137メートル)にて開催されたノルディックスキージャンプ女子W杯の11戦目で、優勝候補の一角とされていたマリタ・クラマー(オーストリア)は失格の憂き目に遭った。

 シリエ・オプセト(ノルウェー)が今季3勝目を飾った同大会。クラマーも1本目に8位につける、まずまずの滑り出しは見せていた。しかし、彼女は直後にスーツ規定違反を告げられ、失格処分を言い渡されてしまったのである。

 昨冬の北京五輪で高梨沙羅がジャンプ後に言い渡され、日本国内でも小さくない話題となったスーツ規定違反。実は国際スキー連盟(FIS)が測定方法を変更した今季も失格者が後を絶たない。

 測定方法を今季から立った状態から仰向けで測る手法に変更したFISは、さらにサイズ測定にレーザー機器を導入。股下の長さをより正確に計測できるようになった。これによって、北京五輪で渦巻いた「普段と測定方法が異なる」という問題は解消されると見込まれていた。
 
 しかし、計測がより厳密になったために“違反をした”と判断される選手が増えている。FISのコメンテーターでもあるルイス・ホルヒ氏によれば、今季の累計失格者は例年の2倍。さらに昨季の総合女王クラマーも処分された今週末に至っては、失格を言い渡された6人中5人がスーツ規定による問題を抱えていたという。

 そんな“異常事態”には海外メディアも警鐘を鳴らす。オーストリアの全国紙『Kronen Zeitung』は「クラマーもだ! 失格者続出!」と銘打った記事内で「今季も選手たちにとって苦い出来事が繰り返されている。ついにはクラマーもルールに準じておらずに除外された」と指摘している。

 13日から蔵王にて12戦目が行なわれるが、はたしてクラマーは今度こそ表彰台に立てるのか。21歳の絶対女王の意地に期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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