オリンピックで旋風を巻き起こした、“カー娘“が新たな勲章を手にした。

　2018年平昌、2022年北京と、五輪での２大会連続メダルを獲得したロコ・ソラーレが、カーリングのワールドツアー最高峰グランドスラム大会で初優勝。日本勢では男女通じて初の頂点に輝いた。
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　頂点まで、あと一つ。ロコ・ソラーレの前に立ちふさがったのは世界ランキング１位の強豪チーム・エイナーソン（カナダ）だった。ロコ・ソラーレはリードの吉田夕梨花、セカンドの鈴木夕湖、サードの吉田知那美、スキップの藤澤五月という不動の五輪メンバーで臨んだ。

　ロコ・ソラーレは第１エンド後攻で２点を奪うと、第２エンドもスチールで１点を追加。スキップ藤澤の高いショット成功率が光り、試合の主導権を握り有利に進める。

　その後は点を取り合う展開になったが、第７エンドで藤澤のラストショットが冴え、ロコ・ソラーレが１点を追加。最終エンド５-３で迎えたところで相手がコンシードし、ロコ・ソラーレが逃げ切り勝ちを決めた。４人は優勝が決まると抱き合い、喜びを爆発させた。これまでロコ・ソラーレのグランドスラムでの最高成績はベスト４で、決勝進出は初めて。日本カーリング界の歴史をついに塗り替えた。

　この快挙にチーム創設者の本橋麻里代表理事はツイッターを更新。トロフィーと星の絵文字を添えて「快挙　dream come true　みんな凄い～！　選手、コーチ、スタッフのチーム力」と綴り、ロコ・ソラーレのグランドスラム制覇に歓喜した。
  　同大会の公式サイト『GRAND SLAM OF CURLING』の決勝ハイライト記事もロコ・ソラーレの快挙を称えている。記事のなかで「日本チームのサツキ・フジサワ（ロコ・ソラーレ）が、アジアを拠点とするクラブとして初めてグランドスラムのタイトルを獲得し、歴史に名を刻んだ」と紹介している。

　加えて同記事のなかには、優勝したロコ・ソラーレのコメントも掲載されている。サードの吉田は「カーリング人生の大きな目標の一つでした」と語り「オリンピックで2つ（銀メダルと銅メダル）、世界選手権で1つ（銀メダル）を獲得しましたが、これまでグランドスラムの決勝には進めなかったんです。7年がかりで今日実現したので、本当に素晴らしい気分です」と満面のチナミ・スマイルでコメントしている。

　続けて吉田は、世界最高峰の大会で自分たちがチャンピオンになったことが不思議だと語るが、「日本のカーラーにとって、グランドスラムのチャンピオンになることは夢のようなものですが、今は夢というより目標です。私たちだけでなく、グランドスラムに出場する全ての日本チームが、この素晴らしい大会で一緒に戦えることを願っています」と王者としての自覚を早くものぞかせる力強いコメントで、今後の目標を述べている。

　ロコ・ソラーレの偉業は海外メディアも手放しで絶賛している。カナダ公共放送局『CBC』のリポーターを務め、オリンピックやパラリンピックなどを取材しているデビン・ハーロウ氏はロコ・ソラーレについて「チーム・フジサワ（ロコ・ソラーレ）は私のお気に入りのチームの一つだ。カーリングをしているときの彼女たちの喜びは素晴らしい。そして、彼女たちは本当にすごい」とツイッターで優勝を称えている。

　海外メディアからも熱視線を浴びるロコ・ソラーレ。３大会連続の五輪メダル獲得へ、進化し続けるカー娘たちの勢いは、これからも目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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