「注目され過ぎるのは好きではない」と悩みを吐露した陸上長距離界の新星。そんな彼女を心配する声が多く見受けられる。
先月15日の全国都道府県駅伝で17人抜きを披露し、9分2秒という驚異的なタイムを叩き出したドルーリー朱瑛里。29日に行なわれ岡山県内市町村別対抗駅伝(「晴れの国岡山」駅伝競走大会)では、3区(3キロ)で9分40秒と従来の区間記録を10秒更新した。
【画像】都道府県対抗女子駅伝では驚異の区間新! スーパー中学生、ドルーリー朱瑛里
岡山が生んだスターの走りを一目見ようと、29日には河川敷に多くのファンが駆けつけた。その大半は、颯爽と駆け抜ける彼女の姿を写真や動画で収めていた。SNSなどを介し彼女の名は全国に轟いたが、レース後に彼女は複雑な心境を明かした。
「注目され過ぎるのは好きではない。そういった面ではちょっと……。(周りの人からは)『気にせずに』とは言われている。自分なりに気にしないように頑張っています」
そして恐れていたことが起きた。「報道の方々への対応や、周りの方々からの撮影や声かけの対処にとても不安を感じましたので、やむを得ずびわ湖クロカンには出場しない決断をしました」と弁護士を通じて2月5日の大会を欠場すると発表したのだ。
ネット上ではティーンエイジャーを気にかける人が多い。そのひとり、スポーツコメンテーターの為末大氏は、「まだ中学生です。彼女の気持ちを第一にみんなで見守っていきましょう」と自身のTwitterで呼びかけたうえで、「これは日本のスポーツ界は女子アスリートへの盗撮、無断の撮影問題にも関係すると思います。マスメディアよりも、個人で撮影している人間をどう抑止するかが重要です」と発言した。
近年、SNSの普及により「全ての個人がメディアになれる力を手に入れたわけです。これによって国民総メディア時代が始まりました」とマスメディアだけでなく、一般人にも非があることを指摘した。
「誹謗中傷を受けても、一人一人に対処するしかなくイタチごっこです。性的な目的の撮影なども多くあります。室内は制限できますが、屋外は制限がとても難しいです。駅伝などは沿道全ての制限をしないといけなくなります」
そして「つまりマスメディアの問題だと思っていたものが、実は人間の性質の話であり、国民が皆メディアになれる時代にはあちこちに散ってしまっているのが現状だと思います」と言及し、こう続けた。
「これに対処するのは大変なことですが、しかしやり切らないとアスリートたちが安心して競技をすることができません」
メディアをはじめ、ファン一人ひとりが自らの行ないを見直す必要がありそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
【PHOTO】まさに異次元!またも区間新記録樹立のドルーリー朱瑛里を特集!
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【関連記事】「絶対飛んでるでしょ!」岡山の“スーパー中学生”ドルーリー朱瑛里が海外でも話題に!驚異の17人抜きには英記者も脱帽【女子駅伝】
先月15日の全国都道府県駅伝で17人抜きを披露し、9分2秒という驚異的なタイムを叩き出したドルーリー朱瑛里。29日に行なわれ岡山県内市町村別対抗駅伝(「晴れの国岡山」駅伝競走大会)では、3区(3キロ)で9分40秒と従来の区間記録を10秒更新した。
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岡山が生んだスターの走りを一目見ようと、29日には河川敷に多くのファンが駆けつけた。その大半は、颯爽と駆け抜ける彼女の姿を写真や動画で収めていた。SNSなどを介し彼女の名は全国に轟いたが、レース後に彼女は複雑な心境を明かした。
「注目され過ぎるのは好きではない。そういった面ではちょっと……。(周りの人からは)『気にせずに』とは言われている。自分なりに気にしないように頑張っています」
そして恐れていたことが起きた。「報道の方々への対応や、周りの方々からの撮影や声かけの対処にとても不安を感じましたので、やむを得ずびわ湖クロカンには出場しない決断をしました」と弁護士を通じて2月5日の大会を欠場すると発表したのだ。
ネット上ではティーンエイジャーを気にかける人が多い。そのひとり、スポーツコメンテーターの為末大氏は、「まだ中学生です。彼女の気持ちを第一にみんなで見守っていきましょう」と自身のTwitterで呼びかけたうえで、「これは日本のスポーツ界は女子アスリートへの盗撮、無断の撮影問題にも関係すると思います。マスメディアよりも、個人で撮影している人間をどう抑止するかが重要です」と発言した。
近年、SNSの普及により「全ての個人がメディアになれる力を手に入れたわけです。これによって国民総メディア時代が始まりました」とマスメディアだけでなく、一般人にも非があることを指摘した。
「誹謗中傷を受けても、一人一人に対処するしかなくイタチごっこです。性的な目的の撮影なども多くあります。室内は制限できますが、屋外は制限がとても難しいです。駅伝などは沿道全ての制限をしないといけなくなります」
そして「つまりマスメディアの問題だと思っていたものが、実は人間の性質の話であり、国民が皆メディアになれる時代にはあちこちに散ってしまっているのが現状だと思います」と言及し、こう続けた。
「これに対処するのは大変なことですが、しかしやり切らないとアスリートたちが安心して競技をすることができません」
メディアをはじめ、ファン一人ひとりが自らの行ないを見直す必要がありそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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