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ラグビー

「ダイエットをして…」ピークと定めて臨んだ府中ダービー。序盤戦の大一番で34歳リーチが攻守に躍動できたワケ

向風見也

2023.02.08

 2月5日、東京・秩父宮ラグビー場。1万人超のファンを前に暴れた。

 キックオフ早々、新進気鋭の山本凱にぶつかる。攻守で躍動すると、身をもって宣言する。

 有言実行。目の前の接点に首、肩、腕を差し込む。向こうの核弾頭で、来季フランスに移籍のテビタ・タタフへ何度も刺さる。
 
 3点差を追う後半19分。敵陣22メートル線付近右でラインアウトへ入る。

 捕球役を持ち上げ、おろし、球が展開されると左へ大回りする。

 左中間にできた攻撃陣形へ入り、パスをもらう。突進。

「リーーーーチ!」

 観客席から掛け声が飛ぶ。折しも、場内ではマスクをしながらの声出し応援が解禁されていた。
 その声に、本人は気づかない。勝負に集中した。タックラーを1人、2人と引きずる。援護役に背中を押されながら、計3人の防御を巻き込む。

 ここからチームは右側を攻め、最後は大外のスペースを突いて止めを刺す。

 34―30と勝ち越す。そのきっかけを、リーチが作った。

「チームにとってはいいところもあった。フィジカリティの部分で勝てたし、自信を持っていけると思います」

 この日は結局、サンゴリアスに白星を譲った。互いの攻撃力を引き出し合った末、34―40で敗れたのだ。今後は規律と決定力が必要だと、リーチは話した。

 繰り返せば、リーチ個人としてはこのサンゴリアス戦をひとまず「ピーク」と定めていた。序盤戦最後のビッグマッチだったからだ。

 今後はこの「ピーク」を最低線とする。進歩は止めない。

 今回、身体を絞って取り戻した運動量を保ち、段階的に筋量を増やしたい。春には、記録と同じ「113キロ」でいまの動きができればいい。

「この2週間の準備の仕方(を考える)。ランニングを多くして、ウェイトの種類を変える。シーズン終盤に、もっと成長できるようにしたいです」

 約2週間後の18日には、レゾナックドーム大分で横浜キヤノンイーグルスと戦う。

 日々、自分を顧みて、鍛錬する。生きざまをフィールドで示す。

取材・文●向風見也
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