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「もし五輪参加を禁じたら恥だ」フランス元五輪金メダリストの“ロシア勢容認”発言に賛否の嵐!「彼はもはや尊敬に値しない」

THE DIGEST編集部

2023.02.13

バイアスロン界のレジェンドであるフールカデ氏。IOCで要職を務める元五輪金メダリストの言葉が波紋を広げている。(C)Getty Images

 目下、IOC(国際オリンピック委員会)が発した"検討案"が特大の波紋を広げている。

 ロシア軍のウクライナ侵攻作戦が始まっておよそ1年。いまだロシアおよびベラルーシの選手団は制裁として国際大会への参加などが禁じられている。元を辿ればIOCが各競技団体に出場禁止の勧告を出したのが発端なのだが、先月になって彼らは態度を軟化させたのである。

 現地1月25日、2024年に開催されるパリ五輪に関して、IOCはロシアおよびベラルーシの選手たちが「中立の立場」を明らかにするならば、参加容認を検討していくべきだとの考えを示した。

 当然、ウクライナをはじめとする複数の国々が猛反発。実現したらボイコットも辞しないとIOCに通達し、トーマス・バッハ会長が「(ボイコットは)オリンピックの基本理念と原則に反する行為だ」と異例の声明を発するに至った。

 さらに事態は拡大する。現地2月10日、アメリカ、ドイツ、イギリスなど35か国のスポーツ担当閣僚が緊急のオンライン会議を開催し、今回のIOC検討案に異議を唱えたのだ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も出席するなか、ロシア・ベラルーシの選手団を参加させないよう要請することで全会一致したという。
 
 そんななか、逆風に抗うかのように持論を展開したのが、過去の五輪・男子バイアスロンで5つの金メダルを獲得したマルタン・フールカデ氏だ。ロシア・メディア『Sport24』がその声を伝えている。

 フランスが誇るウインタースポーツのレジェンドは2020年3月に現役を引退。昨年2月からはIOCでアスリート委員を務めている。34歳のオリンピアンは「いろんな意見があると思うが、あえて言わせてもらう」と前置きし、次のように私見を述べた。

「ひとりのアスリートの代表として、私はロシアとベラルーシの選手たちの競技復帰を考えるべきだと思う。私はアスリート委員として選手たちを保護しなければならず、彼らもまたアスリートであり、保護を求めているはずだ。世界にはいろんな宗教や価値観の下で過ごす人びとがいるが、スポーツ界だけは平和の象徴であってほしい。スポーツは人間を幸せにするものだと、その価値を明確にしてほしい。もしその理念を守れないならば、私は自分自身を裏切ることになる」

 そしてフールカデ氏は「もし我が祖国(フランス)がロシアとベラルーシの選手たちのオリンピック参加を禁止するならば、酷く恥に感じるだろう」と断言。「ロシアとベラルーシを排除して、他のすべての国々を歓迎できるわけがない。フランスとはいかに美しい国なのかを示すべきなのに……。除外しても何も解決はしない。まずは彼らと対話すべきなんだ」と力説した。

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当然、ロシア側からは賛辞が続出