今をときめく日本ボクシング界のスターと言えば、"モンスター"こと井上尚弥(大橋)だろう。昨年12月に行なわれた世界バンタム級の一戦でWBO王者のポール・バトラー(イギリス)を撃破し、アジア人でも史上初となる4団体統一王者となった。
先月13日には、約4年7か月もの時間をかけて掴んだバンタム級4本のベルトを返上。「自分の強さを追い求めていきたい」と語った井上はスーパーバンタム級への階級上げを表明した。
そんな"怪物"の次章が幕開けとなってから1か月後――。日本格闘技界で「神童」と評された天才ファイターも新たな挑戦をスタートさせた。昨年12月にキックボクシングからの転向を明言していた那須川天心(帝拳)だ。
2月13日に都内で開かれた記者会見に登場した那須川。4月8日に東京・有明アリーナで行なうデビュー戦は、奇しくも井上と同じスーパーバンタム級での6回戦。対戦相手は日本バンタム級4位の与那覇勇気(真正)となった。
無論、ボクシング界で"史上初"の快挙をやってのけ、いまや「世界最高」と称される井上との"差"は歴然だ。キックボクシング時代の凄みを知る一部のファンがSNSで「同じ階級だから井上とやれる」と期待するほど、那須川の眼前に広がる道のりは楽ではない。
もっとも、立ちはだかる壁の高さは、当人も熟知している。13日の会見で「階級的にはずっとキックでもやってきた階級。井上選手に関しては、僕はまだ新人なのでこれからじゃないかなと思います」と明かした24歳は、「今も完璧じゃない」とボクシングの難しさを語った。
「自分はキックの距離で慣れていた。そこを調整しないといけない。今も試合では完璧じゃないので、毎日最高を目指している。ラウンド数は身体の使い方が大事だと思っています。短距離が長距離になる。全く違うスポーツだと感じていて、『蹴りが手になっただけじゃん』っていうけど、そんなことはないんで。奥が深いです」
キックボクシング時代からとにかく「最高な形は何か」を想い求めてきた。それはボクシング界に足を踏み入れてからも変わらない。「自分のバイブスやマインドもいい方向に向いている。自分のことですが、毎日楽しいし、毎日最高。ストレスがないし、本気で好きなことができている」と充実感を漂わせた那須川は"らしい"表現で、今後の目標を打ち明けた。
「正直、あんまり(何年かかって世界の頂点になるか)は考えてない。逆にどうしたらいいっすかね(笑)。もちろん、周りは『最短で』とか、『すぐに世界王者だ』と思っていると思うけど、自分はあんまり考えていないですね。(自分の中で)納得できることが出せないと。いけると思ったタイミングで挑戦すると思う」
最後に「ちゃんと整えていないと難しい。でも、希望はあります」と力強く意気込んだ那須川。井上のような世界トップランカーと対峙するには、まだまだ未熟だ。それでも鋭い眼で見据えた先には、「最高」の舞台が見えた。
構成●THE DIGEST編集部
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先月13日には、約4年7か月もの時間をかけて掴んだバンタム級4本のベルトを返上。「自分の強さを追い求めていきたい」と語った井上はスーパーバンタム級への階級上げを表明した。
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2月13日に都内で開かれた記者会見に登場した那須川。4月8日に東京・有明アリーナで行なうデビュー戦は、奇しくも井上と同じスーパーバンタム級での6回戦。対戦相手は日本バンタム級4位の与那覇勇気(真正)となった。
無論、ボクシング界で"史上初"の快挙をやってのけ、いまや「世界最高」と称される井上との"差"は歴然だ。キックボクシング時代の凄みを知る一部のファンがSNSで「同じ階級だから井上とやれる」と期待するほど、那須川の眼前に広がる道のりは楽ではない。
もっとも、立ちはだかる壁の高さは、当人も熟知している。13日の会見で「階級的にはずっとキックでもやってきた階級。井上選手に関しては、僕はまだ新人なのでこれからじゃないかなと思います」と明かした24歳は、「今も完璧じゃない」とボクシングの難しさを語った。
「自分はキックの距離で慣れていた。そこを調整しないといけない。今も試合では完璧じゃないので、毎日最高を目指している。ラウンド数は身体の使い方が大事だと思っています。短距離が長距離になる。全く違うスポーツだと感じていて、『蹴りが手になっただけじゃん』っていうけど、そんなことはないんで。奥が深いです」
キックボクシング時代からとにかく「最高な形は何か」を想い求めてきた。それはボクシング界に足を踏み入れてからも変わらない。「自分のバイブスやマインドもいい方向に向いている。自分のことですが、毎日楽しいし、毎日最高。ストレスがないし、本気で好きなことができている」と充実感を漂わせた那須川は"らしい"表現で、今後の目標を打ち明けた。
「正直、あんまり(何年かかって世界の頂点になるか)は考えてない。逆にどうしたらいいっすかね(笑)。もちろん、周りは『最短で』とか、『すぐに世界王者だ』と思っていると思うけど、自分はあんまり考えていないですね。(自分の中で)納得できることが出せないと。いけると思ったタイミングで挑戦すると思う」
最後に「ちゃんと整えていないと難しい。でも、希望はあります」と力強く意気込んだ那須川。井上のような世界トップランカーと対峙するには、まだまだ未熟だ。それでも鋭い眼で見据えた先には、「最高」の舞台が見えた。
構成●THE DIGEST編集部
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