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【大阪杯】“生ける伝説”に導かれたジャックドールが逃走劇を完遂!クレバー極まりない武豊の騎乗に脱帽だ

THE DIGEST編集部

2023.04.04

2番人気のジャックドールが大阪杯を制した。写真:産経新聞社

2番人気のジャックドールが大阪杯を制した。写真:産経新聞社

 4月2日(日)、古馬中長距離の本格的な幕開けとなる大阪杯(GⅠ、阪神・芝2000m)が行われ、単勝2番人気に推されたジャックドール(牡5歳/栗東・藤岡健一厩舎)が逃げを打つと、後方から追い込んだ昨春の二冠牝馬で1番人気のスターズオンアース(牝4歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)をハナ差抑えて優勝。念願のGⅠタイトルを手に入れた。

 先行した10番人気のダノンザキッド(栗東・安田隆行厩舎)が粘り込んで3着に健闘。一方、3番人気に推されたヴェルトライゼンデ(牡6歳/栗東・池江泰寿厩舎)は直線で伸びを欠いて9着に大敗し、また4番人気のヒシイグアス(牡7歳/美浦・堀宣行厩舎)は7着、5番人気のジェラルディーナ(牝5歳/栗東・斉藤崇史厩舎)は6着にそれぞれ敗れた。

【動画】最後は3頭の叩き合い! 大阪杯の激闘
 さすが“リヴィング・レジェンド”と呼ばれるジョッキー、と言うべきか。
「いいスタートが切れれば行こう(逃げよう)と思っていました。この馬場なら59秒ぐらいで行ければ、いい勝負になるだろうと」

 レース後、「1000mの通過ラップは58秒9でしたが、どう感じていましたか」と問われた武豊騎手の答えが勝利の核心をずばりと突いていた。

 良馬場でも例年よりはやや時計がかかる阪神の芝コースの状態と、二度目の騎乗となるジャックドールの能力をはかってイメージどおりにレースを進めた名手らしい“匠の技”が輝いた一戦だった。

 ゲートが開くと、外からノースワールド(牡5歳/栗東・大久保龍志厩舎)がダッシュを利かせて逃げるかに見えたが、9番枠からじわじわと馬なりで脚を伸ばしたジャックドールが先頭を奪う。ノースワールドとマテンロウレオ(牡4歳/栗東・昆貢厩舎)が抑えて2、3番手に控えたため、ジャックドールは平均よりやや速めという“マイペース”での逃げに持ち込むことに成功した。

 ヒシイグアスは中団の前目、ヴェルトライゼンデもその直後という好位置に付けたが、スタートで後手を踏んだスターズオンアースとジェラルディーナは後方集団からの追走を余儀なくされた。

 前述のとおり、名手に導かれて気分よく“マイペース”で逃げるジャックドール。勝負どころの3コーナー過ぎから後続も先頭との差を詰めんと鞍上が仕掛けにかかり、馬群はその長さを縮めながら直線へと向いた。

 内目で状態が良さそうなコースを選んで逃げるジャックドールは直線半ばでゴーサインを受けて逃げ込みを図るが、先団からダノンザキッドが脚を伸ばし、さらには後方から馬群を縫うように追い込んできたスターズオンアースも襲い掛かる。逃げ切れるのか、追い込みが届くのか。3頭が同タイムでもつれるようにゴールへ駆け込んだが、ジャックドールがぎりぎりのハナ差でスターズオンアースの猛追をしのいで逃走劇を完遂していた。
 
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