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【大阪杯】“生ける伝説”に導かれたジャックドールが逃走劇を完遂!クレバー極まりない武豊の騎乗に脱帽だ

THE DIGEST編集部

2023.04.04

 ジャックドールは昨年の金鯱賞(GⅡ、中京・芝2000m)で重賞初制覇を遂げ、大阪杯では5着に敗れたものの、夏の札幌記念(GⅡ、札幌・芝2000m)では、サウジカップ(GⅠ、キングアブドゥルアジーズ・ダート1800m)を制して世界じゅうのファンや関係者を驚かせたパンサラッサ(牡6歳/栗東・矢作芳人厩舎)を降し、重賞2勝目を挙げていた。

 モーリス産駒らしくスピードの持続力に優れ、タフで時計がかかる馬場も味方に付けての勝利だった。
 
 レース後のインタビューで、この勝利を、
「とてもとても嬉しいです。前回の香港カップでは結果を出せなかったのに、こうしてまた声をかけてもらったオーナーをはじめ関係者の方々に感謝したいと思います」
 と語った武豊騎手は、これでJRA・GⅠで80勝に到達して、自身の持つ最多勝記録を更新。同時に、54歳19日というJRA最年長GⅠ勝利でも新記録を打ち立てた(それまでの記録は岡部幸雄騎手の53歳11か月27日)。

 0.1秒という微細なラップタイムを嗅ぎ分け、ハナ差の逃げ切りという至難の業をやってのけたクレバー極まりない騎乗には、もはや脱帽するしかない。

 昨年の秋華賞(GⅠ、阪神・芝2000m)の3着以来、約半年ぶりのレースとなったスターズオンアースが強烈な末脚を繰り出して勝ち負けに持ち込んだ能力の高さは、牝馬クラシック二冠という勲章に相応しいものだ。スタートでのもたつきが無ければ…と思わせる、いわゆる「負けてなお強し」の競馬。これで牡馬とも互角の勝負ができることを証明したわけで、今後に夢を見させてくれる一戦となった。

 3着のダノンザキッドのしぶとい伸びは、ホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)を制した実績をスルーした人気の薄さにしっぺ返しを食らわせるものだった。昨年はGⅠレースの2着が二度あるように、前走の中山記念(GⅡ、中山・芝1800m)で11着に大敗してはいるものの、10番人気とはいかにも評価が低すぎた。今後の中距離戦線でマークすることを忘れてはならない1頭だ。

 上位人気のヴェルトライゼンデとジェラルディーナの凡走は、前者が距離不足を、後者は後方からの競馬で進路取りにスムーズさを欠いたのが敗因と映る。

 また、プレビュー記事で「主力視したい」としたヒシイグアスは、松山弘平騎手が「十分にやれるような感触があったと語るが、これまで休み休みの出走で結果を出してきた経歴からすれば、個人的には中山記念の勝利からから中4週で使えた順調さがかえって裏目に出たような気もする。詳細は分かりかねるが、馬体重の前走比-18㎏という数字に分析のヒントがあるのかもしれない。
<了>

取材・文●三好達彦
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