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バレーボール

「体罰や暴力は起こりようもありません」バレーボール元日本代表・浅野博亮の挑戦。愛知大バレー部へ日替わりで監督を派遣し競技力アップへ

THE DIGEST編集部

2023.05.05

6人の監督を代表して指揮を執る浅野博亮さん 写真:北野正樹

6人の監督を代表して指揮を執る浅野博亮さん 写真:北野正樹

 バレーボール元日本代表OH(アウトサイドヒッター)の浅野博亮さん(32)(元ジェイテクト)が参加する特定非営利活動法人(NPO)「VRAVO N +(ブレイボ エヌ プラス)」が、今年4月から愛知大学バレー部と業務委託契約を結び、指導者を派遣している。
 
 浅野さんや元日本代表OHの高松卓矢さん(35)(元ウルフドッグス名古屋)ら6人が、日替わりで監督として指導する画期的な試み。個性の違う多くの指導者から高い技術を習得するとともに、選手が主体性を持って自立し、社会に出てから役立つコミュニケーション力やリーダーシップなどを養う狙いがある。

 愛知大学では「1人の指導者で継続してという意見も学内にはあるが、バレーを通して社会に役立つ学生を育てたいと、スタートした。複数による指導で偏りもなく、今、問題になっているハラスメントとも無縁」(鈴木正也バレー部長)と期待を寄せている。

 1チームに6人の監督が就任した。

 バレー界でも異例の試みの舞台は、東海大学リーグに加盟する愛知大学。きっかけは、後任監督選びだった。

 1948年創部で、2009年から4季連続優勝を果たした強豪だが、コロナ禍もあり約2年間、監督空席の状態が続いていた。

 後任に白羽の矢が立ったのが、OBでV1リーグジェイテクト時代に日本代表を務め、現役を引退していた浅野さん。身長178センチと小柄ながら、跳躍力と技でアタックを決め、鋭い読みからの正確なレシーブと攻守でチームに貢献してきた。

 しかし、現在はジェイテクト人事部で採用担当を務める浅野さんが、監督を務めるには障害が多かった。選択肢として①退社して専任②勤務時間後に指導③ジェイテクトから愛知大に出向――などがあったが、いずれも条件的にクリアすることは厳しく、断るしかなかった。

 OBとして母校の復活を願う浅野さんが代わりに提案したのが、発起人代表を務めたブレイボからの人材派遣だった。

 ブレイボは、V(volleyball)R(Rear=育成する)A(Association=組織)V(Value=価値) O(Offer=提供する)N(Nagano=長野)+(Plus=全国へ)は、BRAVO(ブラボー)という言葉の響きと意味を模した造語で、2020年に浅野さんの出身地、長野県安曇野市で誕生。総合型地域スポーツ団体として、青少年の健全な育成などを目指しバレー教室や講師の派遣などを行っている。
 
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