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モータースポーツ

大災害を受けての迅速なF1中止決定には各方面から理解の声! 専門サイトは高評価とともに「2020年豪州GPの時とは対照的」と指摘

THE DIGEST編集部

2023.05.19

中止が決まったエミリア・ロマーニャGP。閑散とするパドックから荷物が運び出されていく。(C) Getty Images

中止が決まったエミリア・ロマーニャGP。閑散とするパドックから荷物が運び出されていく。(C) Getty Images

 今週末にイタリア・イモラで開催される予定だったF1第6戦は、同国エミリア・ロマーニャ州を襲った大雨と洪水によって、5月17日に中止が発表されている。

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 会場となる「アウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ」のコースのすぐ近くを流れるサンテルノ川が危険水位に達したことで、レース関係者にも避難指示が出されていた中、マッテオ・サルビーニ副首相から中止要請が出されたことを受け、F1運営側は関係大臣、イタリア自動車クラブ会長、エミリア・ロマーニャ州知事、イモラ市長、プロモーターを含む管轄当局との話し合いを経て、満場一致で中止の決断に至ったとの声明を発した。

 チームやドライバーは、SNSを通して被害に遭われた人々へメッセージを送っており、ホームレースを控えていたアルファタウリの角田裕毅も、「恐ろしい夜の後、街は大きな被害を受けています」と、チームの本拠地であり、自身も拠点としているファエンツァの被害状況を公開し、救援のための募金活動への協力を求めている。

 そして、誰もがこの大災害に際して、人命救助を優先することに同意し、多くの人々が楽しみにしていたであろうグランプリの中止が決定されたことにも理解を示し、その決定を支持。それは各国メディアも同様であり、前述のように早い段階で関係者をサーキットから避難させたことも含め、この上層部による迅速な動きについては論理的で、良心的で、適切なものだったと評価した。

 中止が発表される前日には、イタリア自動車クラブ(ACI)のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は「天気は木曜日(18日)には回復し、サンテルノ川の水位も元に戻るはずだ」と語り、すでに複数の死者を出している大きな災害の中でも、F1開催に向けて準備を続けることを示していた。

 F1がビジネスを優先させ、天候や社会情勢、治安などの悪化の中でも開催を強行して物議を醸したことは幾度もある。ひとつのグランプリの開催には多くの手間がかかり、多額の金が動くことを考えれば、スケジュール通りに事を進めたい、ましてや中止だけは避けたい、という意思が働いた結果である。
 
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