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ロシアが東京五輪、カタールW杯から除外へ。ドーピング問題で主要国際大会への4年間参加禁止に

THE DIGEST編集部

2019.12.10

五輪では国旗や国歌斉唱なども禁止される。(C) Getty Images

五輪では国旗や国歌斉唱なども禁止される。(C) Getty Images

 12月9日、世界反ドーピング機構(WADA)は、オリンピックなど主要なスポーツ大会において、ロシアの国家としての参加を4年間禁止すると発表した。

 これは、東京2020オリンピック・パラリンピック、そして2022年に予定されているカタール・ワールドカップ、北京冬季五輪において、ロシアの国としての参加が不可能になったことを意味する。

 これらの大会では国旗の使用、ロシア政府関係者らも参加することができない。そのほか、大会の主催や招致も禁止される。

 WADAは国家ぐるみのドーピング疑惑が浮上したロシアに対し、16年に報告書をまとめ、14年のソチ冬季五輪などでの不正を認定。18年9月にロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格停止処分を解除する条件としてモスクワ検査所の保管データの提供を受けたところ、15年のデータに改ざんや意図的な削除が発見された。

 2019年1月にも再びデータが提出されたが、操作された改ざんデータであったことが11月25日に判明。「極めて深刻な隠ぺい工作が行なわれている」とし、五輪など主要大会からの除外を勧告していた。
 
 英公共放送『BBC』によれば、12月9日にスイスのローザンヌで行なわれた実行委員会の会議でこの処分が決定。副会長のリンダ・ヘレランド氏は「これでも十分ではない」と語ったという。

 WADAの裁定において、ロシアとRUSUDAはスポーツ仲裁裁判所に21日間の間に控訴することができる。ただ、処分が覆る可能性は「極めて低い」(『BBC』)ようだ。

 2014年に発端に疑惑がもたれた国家ぐるみのドーピング疑惑のなか、ロシアは16年のリオ五輪では選手団として参加。だが、18年の平昌冬季五輪では選手団としての参加を認めなかったため、2018年の平昌冬季五輪では、168人のアスリートが個人資格を取得し、中立旗のもとで出場した。

 今回のケースでも、今後の大会では厳しい基準等をクリアし、ドーピングの潔白が証明できた選手にのみ、個人資格での出場を認めることになる。先日行なわれたグランプリ(GP)ファイナルに参加したフィギュアスケートの選手たちも、同様の対応に出るとみられる。

 だが、ワールドカップにおいては国家での参加が必須となるため、FIFAがWADAの裁定に従えば、ロシアは大会からは完全に除外される。

 ただし、2020年に欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するEUROは、WADAの裁定による「主要なスポーツ大会」とは定義されていないため、参加が認められる。同大会では、サンクトペテルブルグも開催都市に含まれている。

構成●THE DIGEST編集部

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