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「証拠を掴んだ!」「安全はどこにある?」フルトン陣営が井上尚弥のバンテージに異例注文!海外専門メディアも物議を醸す

THE DIGEST編集部

2023.07.23

フルトン(左)陣営が指摘した井上(右)への疑念が物議を醸している。(C) THE DIGEST、Getty Images

フルトン(左)陣営が指摘した井上(右)への疑念が物議を醸している。(C) THE DIGEST、Getty Images

 雌雄を決する戦いに向けた口撃が、物議を醸している。

 来る7月25日、東京・有明アリーナでボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と、WBC・WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)の世界タイトルマッチが行なわれる。決戦を3日後に控えた22日、記者会見が行なわれた。

 会見は終盤を迎え、試合への緊張感が高まるなか、フルトン陣営がいきなり仕掛けた。トレーナーのワヒド・ラヒーム氏が「言いたいことがある」と自らマイクを持つと、「この試合はクリーンに行なわれてほしい。グローブをはめるときに安全、安心が確保されることを願う」と口にしたのだ。

 トレーナーに発言の意図を報道陣が求めると、どうやら井上のバンデージの巻き方について疑問を持ったようで、「海外メディアで上がっているイノウエの動画でバンテージを巻いている映像があり、英語の記事で論争が上がっている。この試合に関してはそういうことが起こらないように、お互い安全に分かりやすい準備をしてほしい」と補足。同トレーナーは最後にもマイクを握り「どちらかに有利になってはいけない。フルトンを守るためにも公平でなければならないから私がコメントした」と釈明した。

 思いもよらぬバンテージの不正疑惑をかけられた井上は苦笑いを浮かべつつ、「自分は24戦やってきて全試合、正々堂々と試合をしてきた」とあらためて否定。「少しナイーブになりすぎなのではないか」とフルトン陣営に揺さぶりをかけ、「こちらは正々堂々と戦うのでご心配なく」と最後は冷静に返した。
 
 両陣営のやりとりは、当然海外メディアも見守っており、さまざまな反応を示している。

 英国のボクシング専門メディア『Boxing Social』は「フルトンのトレーナーであるワヒド・ラヒーム氏は記者会見で、ナオヤ・イノウエが危険な方法でバンテージを巻いている証拠を掴んだと主張し、世界タイトルマッチに疑問を投げかけた」と報じ、「安全レベルはどこにあるのでしょうか?この問題が解決されない場合、私はフルトンをリングに上げることを許可しない」とトレーナーのコメントを取り上げ、一気に不穏な空気が流れたと伝えている。

 米ボクシング専門サイト『RingNews24』のアンソニー・コックス記者は「29歳のアメリカ人コーチが地元の英雄であるフルトンのため下手な戦術を非難したことにより、試合を辞退させる可能性がある」と土壇場での試合中止も視野に入れている。

 同記者は現場の困惑も伝えたうえで、「試合に至るまでの数か月間、フルトンとイノウエの両チームは、お互い非常に友好的であり、最高のチームが最高のチームと対峙することについて、敬意を持って話していた。悪口を言ったり、相手の意見を聞き出そうとしたりすることはなかった」と来日してから両陣営の良好な関係を説明。そのうえで、「試合の3日前、フルトンのトレーナーであるワヒド・ラヒームが最後の記者会見で日本のスーパースターが不法にバンテージを巻いていると非難したとき、すべては劇的に変化した」と指摘。大一番を前にフルトン陣営が、より神経質になっていると見解を立てている。

 井上のノックアウト率は高く、バンタム級ではそのボディショットで多くのファイターをリングに沈めてきた。24戦中21回のKO勝ちは驚異的な記録で、フルトン陣営は階級がひとつ上がるスーパーバンタム級でも、井上の拳の破壊力は相当警戒しているという声もある。

 試合当日は両陣営立ち会いのもと、バンデージチェックが行なわれる。無敗同士の一戦は、当日無事にゴングを迎えることができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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