バレーボール

有言実行で掴んだ46年ぶりの表彰台! 日本男子バレー、躍進の秘訣とパリ五輪予選への課題は?

北野正樹

2023.07.30

ネーションズリーグで国際主要大会46年ぶりのメダルを獲得した日本代表。写真:Newspix.plアフロ

 バレーボール男子の「ネーションズリーグ(VNL)」で銅メダルを獲得し、46年ぶりに主要国際大会で表彰台に上がった「龍神NIPPON」。躍進の秘密と今季、最大の目標とする9月30日開幕(男子)のパリ五輪予選兼ワールドカップに向けた課題は――。(文:北野正樹)

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【PHOTO】バレーボールネーションズリーグ2023男子日本代表、龍神NIPPONのキャプテン・石川祐希を特集!
 
「今シーズン、最大の目標は五輪予選なので、そこで絶対に出場権を獲得します。いい形で五輪予選に臨めるよう準備したい。VNLでの目標はベスト4以上」

 今年5月31日、6月6日から始まるVNLを前にした記者会見での、石川祐希主将(パワーバレー・ミラノ)の言葉だ。

 その言葉通り、VNLでは10勝2敗で決勝ラウンドに進出し、準決勝では世界ランキング1位のポーランドに敗れたものの、3位決定戦では予選ラウンドで1セットしか奪えなかったイタリアをフルセットの末に破り、銅メダルを獲得した。

 躍進の要因はいくつもあるが、多くのバレー関係者や選手らが口にするのは「選手個々の能力とチーム力のアップ」だ。2019年のアジア選手権3位、ワールドカップ4位。東京五輪7位、22年VNL5位と順位を上げ、石川主将は「今のチームは大崩れすることが少なくなった」と繰り返してきたが、個々のレベルが上がりチームの総合力もそれに比例した。

 背景には、海外経験者の存在が見逃せない。Aチームには石川のほか、日体大に所属しながらイタリアでプレーするOH高橋藍やOP宮浦健人(パリ・バレー)、現在は国内リーグでプレーするOP西田有志(パナソニック)、リベロ山本智大(同)、OPセッター関田(ジェイテクト)らが名を連ねる。

 17年から中垣内祐一監督のもとでコーチを務め、戦術面などで実質的な指揮を執って来たと言われるフィリップ・ブラン監督は「海外でプレーする選手が増え、そこで培った新しい考えをチームにもたらせてくれたことが大きい」と、6年間のチームの成長をそう振り返る。

 石川も「海外へ行った選手は、より多くのことを経験しており、意識のレベルは高い」と言い切る。
 
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「宮浦選手のように、今はどの選手が出ても日本のバレーを見せられるのが強み」