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バレーボール

「誹謗中傷が当たり前の世界は間違っている」心無い投稿へ断固たる対処を表明したバレー日本代表、西田有志の想い

北野正樹

2023.08.02

「誹謗中傷が当たり前の世界は間違っている」と語る西田有志。写真:北野正樹

「誹謗中傷が当たり前の世界は間違っている」と語る西田有志。写真:北野正樹

 SNS上での誹謗中傷に対処する方針を自身のツイッターで表明したバレーボール男子「龍神NIPPON」の副主将でOPの西田有志(23)が、毅然とした態度を取るまでに至った思いを31日までに語った。

【画像】龍神NIPPONの若きエース西田有志を特集!
「ネーションズリーグ(VNL)」で銅メダルを獲得し、46年ぶりに主要国際大会で表彰台に上った男子バレー。歓喜に沸く中で、西田は「みなさん多くの応援ありがとうございました!3位になることができ、すごく嬉しく思います!色々とこのチームには迷惑ばかりかけてしまい不甲斐なさや悔しさが多い大会でしたが、最後にこうやって勝って終われたこと嬉しく思います!怪我をしっかり治しまた再始動していきたいと思います!」とファンに感謝し、現状を報告するとともに、「そして、今大会で多くの誹謗中傷を受けました。しっかりとした対処を取ろうと思います。このような世界が少しでも減ることを切実に願います。誰かを貶し、吐口にするような事が当たり前とされる社会が少しでも良くなればと思います」と続けた。

 感情を抑えた静かな文面からは、大きな心の痛みや悲しみ、怒りを感じさせた。

 表明から初めて公の場所に姿を見せたのは、7月27日のパナソニック パンサーズへの入団記者会見だった。

 会見で、誹謗中傷への対処について問われた西田は「反響は多かったんじゃないですか。何を言われたかというのをここでは言うべきではないと思っているので、そこは答えを差し控えたいと思っています」

 具体的な誹謗中傷の内容には言及しなかったが、「これは現状、世の中で問題視されている部分だと思いますし、自分たちのパフォーマンスの状況を誹謗中傷することが当たり前になっているこの世界というのは、少なからず間違っていると思っている方はたくさんいらっしゃると思います。スポーツ選手が的にされやすいというのに変わりはないと思うんですが、ちょっとでも声を上げていけば変わっていくんじゃないかと思ったというところです。今に始まったことではないのですが、ちょっとずつ声を上げていければな、というように考えています」と続けた。

 会見では、多くは語らなかったが、誰かが声を上げることで歪んだ世の中の風潮を、スポーツの世界から少しでも変えていきたいという思いが込められた発言だった。

 プロ選手である以上、批判をされるのは百も承知。自分を高めるためにはどんな評価も受け入れ、高みを目指す力に変えてきた。

 それでも、心無い書き込みに心を乱されるのも事実。

「プレーとかは関係ないですよ、全然。その姿はなんだのって、いうような話です。自分がその人に対して何かをしたり、間違ってやってしまったりしたのであれば、それは謝らなきゃいけないことだと思います。だけど、事実無根のような話をされたり、そういったことに対してはしっかりと言わないといけないと思います」と西田。

 大会中の7月12日、タレントのryuchell(りゅうちぇる)さんの悲しい出来事があった。

「自分が当事者になった時、直近で芸能人の方の悲しいニュースもあったりしましたので。自分も気にしなければよかったのですがパフォーマンスの状態も重なり、ちょっと気持ちが入ってしまった部分もありました」

 ryuchellさんが死を選んだ理由は明らかにされていないが、SNS上での誹謗中傷も一因に挙げられている。
 
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