2019年に6回目のF1ワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンと計9回の世界タイトルを誇るモーターサイクルロードレース界の生ける伝説ヴァレンティーノ・ロッシが夢の競演を果たした。
2人の偉大なチャンピオンが自らのマシンを交換して走らせるというこのイベントは、お互いのスポンサーであるモンスターエナジーの企画によるもので、12月9日にスペイン・バレンシアのリカルド・トルモサーキットで行なわれた。
ハミルトンが自身のカーナンバー“44”が付けられたヤマハ YZR-M1を、ロッシがトレードマークのゼッケン“46”が貼られたメルセデス W08を走らせ、ハミルトンがMotoGPマシンでロッシから約4秒落ち、ロッシがF1マシンでハミルトンの約1.5秒落ちのタイムを記録したという。
ちなみにロッシは2004年から2010年にかけてフェラーリのF1マシンを複数回走らせており、2004年の初走行では当時のエースドライバーで7回のF1王者“皇帝”ミハエル・シューマッハの0.7秒落ちのタイムで走り、その後もたびたびF1転向の噂が囁かれた。例年12月はイタリアで行われるモンツァ・ラリーに参戦しているが、2019年はアブダビで開催のガルフ12時間レースにフェラーリ488 GT3で参戦(異父弟のルカ・マリーニ、通称“ウーチョ”こと親友のアレッシオ・サルッチとトリオを組み、12月15日に行なわれた決勝レースでは見事3位表彰台を獲得)。ハミルトンも過去に2018年12月のWSBK(ワールドスーパーバイ世界選手権)のテストでヤマハのファクトリーチーム、Pata Yamaha WorldSBK TeamのYZF-R1を走らせている。
尊敬し合い、近年交流を持っているという2人は「ヴァレンティーノのような伝説のライダーがF1マシンに乗る様子を見る経験は素晴らしいよ。彼がマシンからどんな発見をしたか楽しみ。自分の初めての走行のことを思い出すね。彼がトラックに出て、同じバイクでヴァレンティーノを前に見ながら走るのは、とてもクールだったね!」(ハミルトン)
「僕は以前からルイスの大ファンだったけど、さらにファンになったよ。最初はスピード感とGフォースに驚いたけど、慣れてリズムに乗ると、本当にプッシュできて、とてもうれしかった。本物のF1ドライバーのように感じられてきて、この一日が終わって欲しくない! バレンシアはハードなトラックだし、風が強かったので、ルイスにとって難しいかもしれないと思ってたけど、こんな経験を共有するのは楽しかったし、情熱を分かち合えて誇りに思う。また今回のような機会がもっとたくさん得られることを心から願ってるよ」(ロッシ)とそれぞれコメントした。
オフシーズンでも一向に衰えないモータースポーツへの情熱が、長年にわたり強さを維持する彼らの秘密なのかもしれない。
文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
2人の偉大なチャンピオンが自らのマシンを交換して走らせるというこのイベントは、お互いのスポンサーであるモンスターエナジーの企画によるもので、12月9日にスペイン・バレンシアのリカルド・トルモサーキットで行なわれた。
ハミルトンが自身のカーナンバー“44”が付けられたヤマハ YZR-M1を、ロッシがトレードマークのゼッケン“46”が貼られたメルセデス W08を走らせ、ハミルトンがMotoGPマシンでロッシから約4秒落ち、ロッシがF1マシンでハミルトンの約1.5秒落ちのタイムを記録したという。
ちなみにロッシは2004年から2010年にかけてフェラーリのF1マシンを複数回走らせており、2004年の初走行では当時のエースドライバーで7回のF1王者“皇帝”ミハエル・シューマッハの0.7秒落ちのタイムで走り、その後もたびたびF1転向の噂が囁かれた。例年12月はイタリアで行われるモンツァ・ラリーに参戦しているが、2019年はアブダビで開催のガルフ1
尊敬し合い、近年交流を持っているという2人は「ヴァレンティーノのような伝説のライダーがF1マシンに乗る様子を見る経験は素晴らしいよ。彼がマシンからどんな発見をしたか楽しみ。自分の初めての走行のことを思い出すね。彼がトラックに出て、同じバイクでヴァレンティーノを前に見ながら走るのは、とてもクールだったね!」(ハミルトン)
「僕は以前からルイスの大ファンだったけど、さらにファンになったよ。最初はスピード感とGフォースに驚いたけど、慣れてリズムに乗ると、本当にプッシュできて、とてもうれしかった。本物のF1ドライバーのように感じられてきて、この一日が終わって欲しくない! バレンシアはハードなトラックだし、風が強かったので、ルイスにとって難しいかもしれないと思ってたけど、こんな経験を共有するのは楽しかったし、情熱を分かち合えて誇りに思う。また今回のような機会がもっとたくさん得られることを心から願ってるよ」(ロッシ)とそれぞれコメントした。
オフシーズンでも一向に衰えないモータースポーツへの情熱が、長年にわたり強さを維持する彼らの秘密なのかもしれない。
文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super