プロボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥（大橋）が９月１日、都内でWOWOW「エキサイトマッチSP」の収録を行なった。番組内ではWBA・IBF王者マーロン・タパレス（フィリピン）との４団体統一戦への準備状況に加え、スーパーバンタム級での今後の展望を明かしたが、一方で本人が「２、３年先」と想定するフェザー級への階級上げに対するイメージも垣間見えてきた。

【画像】フルトンとの激闘を振り返った井上尚弥が囲み取材を実施！ 　まず井上は年内にも開催が見込まれる４団体統一戦に向けて、「試合へのプランはまだない」としながらも「交渉は始まっているので、タパレスと試合をするという意識でミット打ちもしている。スパーリングもぼちぼち始めている」と徐々に臨戦態勢に入っているという段階。映像もつい先日に見たばかりというが、「ゴリゴリのファイターかと思っていたが、柔軟性もあるし、わりとディフェンス面がいい。思ったより良いボクサー」とイメージも掴んでいるようだ。

　井上自身は、スーパーバンタム級への階級上げに際し、「不安は体格面だけだった」としていたが、初戦となるフルトン戦の勝利でそれも解消されたとし、さらにこの階級に合ったリカバリーや減量などの改善点を詰めていくことで、同級の身体へフィットしていくと感じているという。

　しかし、そんななか、周囲からは井上に対し、早期のフェザー級昇級を望むような声も少なくない。なかには、タパレスを倒し、４団体統一を果たした段階での階級上げを望む声もあるが、井上本人はそうした声に対して常に慎重な姿勢を見せてきた。

　収録後の囲み取材では、「タパレス、カシメロ、ネリ、アフマダリエフ、この４選手をしっかりクリアしたら自信を持ってフェザーに行けるんじゃないかなと思いますけどね」と語っており、スーパーバンタム級の実力者を悉く打倒してからフェザー級に臨む算段を明かしている。より階級にフィットした身体で、一体どのようなボクシングを披露するのか。楽しみは尽きない。