韓国女子バレーのパリ五輪出場に暗雲が漂っている。

　８月30日から９月６日までタイで開催された『アジア女子バレーボール選手権』で、５位決定戦に回った韓国は、カザフスタン（世界ランク39位）にストレート負けを喫し６位に甘んじた。1975年に大会発足以来、初めて４強入りを逃す屈辱を味わったのだ。

　2021年東京五輪ではベスト４に入り、世界ランキングは14位まで上昇。だが、「女帝」とも呼ばれたキム・ヨンギョンをはじめ、セッターのキム・スジ、さらにヤン・ヒョジンなどベテラン勢が、相次いで国際舞台から引退。

　セサル・エルナンデス・ゴンザレス氏が監督に就任するなど体制を大きく変え、パリ五輪へ向けて再出発したが、ここまで成果は得られていない。今大会の予選ラウドではベトナム（同40位）にフルセットで敗れ、台湾（同45位）に辛勝。そして準々決勝でタイ（同14位）に完敗と苦戦が続いた。

　弱体化する韓国バレーに母国メディアは辛辣なコメントを並べている。日刊紙『東亜日報』は、「この世に永遠の栄光は存在しないけど、ロンドン五輪で４強、リオ五輪で８強、東京五輪で４強を達成した韓国女子バレーがあまりにも早く崩壊している。ネーションズリーグ２年連続全敗に加え、アジア選手権でさえ惨敗に終わるという衝撃を与えた」と嘆く。

　今月行なわれる五輪予選ではポーランド、ドイツ、イタリア、スロベニア、米国、コロンビア、タイと総当たりで戦う。上位２か国に入れば五輪への切符を得られるが、「この苦しい戦いは繰り返される可能性が高い」と悲観している。
  　また『xportsnews』は、「オリンピック出場権獲得＋アジア大会メダルなしの危機」と警鐘を鳴らす。今大会を終え世界ランク36位にまで落ちた韓国にとって、「五輪予選で全力を尽くさなければならない」と伝える。

　2010年広州大会(銀メダル)から2014年仁川大会(金メダル)、2018年ジャカルタ・パレンバン大会(銅メダル)と３大会連続で表彰台に上がったアジア大会に関しては、「今回はメダルの心配をしないといけない。期待より不安のほうが大きく、突破口を見つけなければならない」と指摘する。

　世代交代の失敗で危機的な状況に陥る韓国。パリ五輪の切符をかけた予選、アジア大会で底力を見せられるだろうか...。

構成●THE DIGEST編集部

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