ラグビー

「1年かけてやってきた」大一番イングランド戦へ、昨年の敗戦を糧にできるか? リーチ、堀江、松島が語る勝負のカギ【ラグビーW杯】

向風見也

2023.09.17

イングランド戦を前に調整する日本代表。大一番へ選手たちの気合も十分だ。(C) Getty Images

 37歳。ラグビー日本代表で最年長の堀江翔太は、自身4度目となるワールドカップでこんな心持ちだ。

「一貫性を持って、『この相手やから、あの相手やから』とモチベーションを上げたり、下げたりはしないようにしたい」

 日本時間9月18日未明。予選プール第2戦に挑む。相手は前回準優勝のイングランド代表だ。日本代表が8強入りした前回大会で準優勝に輝き、日本代表が昨年11月に戦い13-52と敗れた伝統国である。

【動画】リーチマイケルが素晴らしい走り込みから中央へトライ!
 堀江は昨秋の対戦時には不出場も、経験値が買われて今回フッカーで先発する。改めて「一貫性」を重んじる。

「イングランド代表に対して用意していることは色々とあるんですけど、それを会場の雰囲気やプレッシャーで出せないことがないように、『どう落ち着いて自分たちのラグビーができるか』にフォーカスする」

 圧力下にあっても「自分たちのラグビー」に没頭し、遂行しきれば、結果的にゲームごとの課題をクリアできるとの論法か。

 日本代表が目指すものには、組織的な攻めがある。

 15人が一枚岩となり、速さ、技巧を駆使する。蹴り合いも視野に入る中盤エリアでも、果敢にパスを選ぶ。

 10日にスタジアム・ド・トゥールーズで行なわれた初戦では、ボール保持率が4割台。もっともそれは、42-12で下したチリ代表が深い位置からも突進、展開を試み続けたからと取れる。

 今度のイングランド代表は、巧みなキックと激しい防御でアルゼンチン代表との初戦を制している(27-10/11日・マルセイユ)。そんな向こうのペースに持ち込ませないためにも、日本代表がどう球を保ち、どう相手のタフな防御を切り崩すかは大きな焦点となろう。

 堀江と同じく4大会目のリーチ マイケルは、専門用語を交えて言う。

「去年やった時、相手に自分たちの9番からのシェイプを(タックルで)崩され、何もできずに終わってしまった。いまは工夫して、(そのシェイプで)細かいパスを多くした。9番から少しでも前に出られれば、自分たちのアタックができる。それができなかったときのプランもあります」
 
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