秋のGⅠシーズンもいよいよ幕開け。その先陣を切るのはご存じ、最速王を決めるスプリンターズステークス(GⅠ、中山・芝1200m)である。
絶対的な存在だった2020年のグランアレグリアが退いてから、スプリント路線は主役不在の混戦模様が続いている。春の高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)は道悪に祟られたこともあって、重馬場だった昨年は8番人気のナランフレグ、不良馬場だった今年は12番人気のファストフォースと人気薄が勝利。ファンを唖然とさせるような結果となった。
スプリンターズステークスも、一昨年は3番人気のピクシーナイト(1番人気のダノンスマッシュは6着)、昨年は8番人気のジャンダルム(1番人気のメイケイエールは14着)が優勝と、こちらも大いに荒れている。
今年も絶対的な主役は不在の混戦模様。天気予報によると土・日の降雨確率は低く、良馬場で行われそうなのは幸いだが、それで予想が簡単になるわけでもない。群雄割拠の状況から狙いたい馬を探っていこう。
1番人気が予想されるのは、今年の高松宮記念で2着に食い込んだナムラクレア(牝4歳/栗東・長谷川浩大厩舎)。前走のキーンランドカップ(GⅢ、札幌・芝1200m)を勝ったあとも経過は順調と伝えられ、浜中俊騎手も「すでにGⅠを勝つ能力を備えた馬」と、ここが勝機と感じている模様だ。
ただし気になるのは、本馬の詰めの甘さで、特に最後の直線に坂があるコースで勝ち切れていないことだ。昨年の本レースでも僅差(0秒2)の5着に健闘しているが、終いの叩き合いで競り負けた。掲示板圏内に突っ込んでくる確率は高いだろうが、これを積極的に本命に推すことには気乗りがしない。
本稿で推したいのは、来春に定年での引退が迫っている安田隆行調教師(栗東)が送り込んで来たアグリ(牡4歳)である。
ご存じのように、安田厩舎はロードカナロアをはじめ、カレンチャン、ダノンスマッシュ、ダノンスコーピオンなどでスプリントGⅠを勝ちまくっている”短距離王国”として名高い。
その安田厩舎のエース級存在がアグリで、2020年のセレクトセール1歳セッションで1億1550万円(税込)で落札された時点から期待を受けていた。
昨年の夏から本格化し、条件戦を3連勝して臨んだことしの阪急杯(GⅢ、阪神・芝1400m)で初重賞制覇を達成。その余勢を駆って臨んだ高松宮記念では直線でいったんは先頭に立つ積極的な競馬を見せたが、差してきた馬たちに挟まれて追いづらくなる不利を受けたこともあって、勝ち馬のファストフォースから0秒6差の7着に敗れた。
その後、香港のチェアマンズスプリントプライズ(G1、シャティン・芝1200m)で5着としたのちに休養に入った。そして秋初戦となるセントウルステークス(GⅡ、阪神・芝1200m)では新たにベテランの横山典弘騎手を鞍上に迎えると、それまでの先行・差しとは一変した後方一気の豪脚(ラスト3ハロン32秒4)を繰り出して、スローペースで逃げ切ったテイエムスパーダ(牡4歳/栗東・木原一良厩舎)に1馬身差の2着に健闘。戦法に新味を見せたことと、変幻自在の騎乗を駆使する横山典弘騎手の手腕に期待は高まるばかりだ。
上記の理由から、筆者はアグリを”推し馬”とする。ちなみに馬名の「アグリ」は、三木正浩オーナーの知人である元F1レーサー、鈴木亜久里氏の名前から取られたと言われている。
絶対的な存在だった2020年のグランアレグリアが退いてから、スプリント路線は主役不在の混戦模様が続いている。春の高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)は道悪に祟られたこともあって、重馬場だった昨年は8番人気のナランフレグ、不良馬場だった今年は12番人気のファストフォースと人気薄が勝利。ファンを唖然とさせるような結果となった。
スプリンターズステークスも、一昨年は3番人気のピクシーナイト(1番人気のダノンスマッシュは6着)、昨年は8番人気のジャンダルム(1番人気のメイケイエールは14着)が優勝と、こちらも大いに荒れている。
今年も絶対的な主役は不在の混戦模様。天気予報によると土・日の降雨確率は低く、良馬場で行われそうなのは幸いだが、それで予想が簡単になるわけでもない。群雄割拠の状況から狙いたい馬を探っていこう。
1番人気が予想されるのは、今年の高松宮記念で2着に食い込んだナムラクレア(牝4歳/栗東・長谷川浩大厩舎)。前走のキーンランドカップ(GⅢ、札幌・芝1200m)を勝ったあとも経過は順調と伝えられ、浜中俊騎手も「すでにGⅠを勝つ能力を備えた馬」と、ここが勝機と感じている模様だ。
ただし気になるのは、本馬の詰めの甘さで、特に最後の直線に坂があるコースで勝ち切れていないことだ。昨年の本レースでも僅差(0秒2)の5着に健闘しているが、終いの叩き合いで競り負けた。掲示板圏内に突っ込んでくる確率は高いだろうが、これを積極的に本命に推すことには気乗りがしない。
本稿で推したいのは、来春に定年での引退が迫っている安田隆行調教師(栗東)が送り込んで来たアグリ(牡4歳)である。
ご存じのように、安田厩舎はロードカナロアをはじめ、カレンチャン、ダノンスマッシュ、ダノンスコーピオンなどでスプリントGⅠを勝ちまくっている”短距離王国”として名高い。
その安田厩舎のエース級存在がアグリで、2020年のセレクトセール1歳セッションで1億1550万円(税込)で落札された時点から期待を受けていた。
昨年の夏から本格化し、条件戦を3連勝して臨んだことしの阪急杯(GⅢ、阪神・芝1400m)で初重賞制覇を達成。その余勢を駆って臨んだ高松宮記念では直線でいったんは先頭に立つ積極的な競馬を見せたが、差してきた馬たちに挟まれて追いづらくなる不利を受けたこともあって、勝ち馬のファストフォースから0秒6差の7着に敗れた。
その後、香港のチェアマンズスプリントプライズ(G1、シャティン・芝1200m)で5着としたのちに休養に入った。そして秋初戦となるセントウルステークス(GⅡ、阪神・芝1200m)では新たにベテランの横山典弘騎手を鞍上に迎えると、それまでの先行・差しとは一変した後方一気の豪脚(ラスト3ハロン32秒4)を繰り出して、スローペースで逃げ切ったテイエムスパーダ(牡4歳/栗東・木原一良厩舎)に1馬身差の2着に健闘。戦法に新味を見せたことと、変幻自在の騎乗を駆使する横山典弘騎手の手腕に期待は高まるばかりだ。
上記の理由から、筆者はアグリを”推し馬”とする。ちなみに馬名の「アグリ」は、三木正浩オーナーの知人である元F1レーサー、鈴木亜久里氏の名前から取られたと言われている。