「今回のOQTでしっかりと勝ちきれたことは、パリオリンピックでもメダルを狙えるチームになったと思います。またひとつステージが上がったなと感じています」

　パリ五輪出場権を獲得した龍神NIPPON。石川祐希は『ワールドカップバレー2023』をとおして、チームの“成長”を実感したようだ。

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　今季ネーションズリーグ銅メダル、アジア選手権金メダルといった実績を残してきた日本代表。それだけに彼らに対する期待値は高く、世界ランキングが日本より下のチームとあたる前半戦は余裕で勝ち、後半戦からが勝負と言われていた。

　だが早々に鼻をへし折られた。２セット目まで余裕で取るものの、３セット目から歯車が狂いはじめる謎の現象が起き、初戦フィンランドに辛勝。さらにエジプト戦では逆転負けを喫し、窮地に立たされたのだ。

　それでもチュニジア、トルコをストレートで下し勢いを取り戻した日本代表は、世界ランキング１ケタの強豪セルビア、スロベニアに１セットも与えず、最終日を待たずして五輪出場権を得た。
  　キャプテンの石川は、「２戦目、エジプトに敗戦してチームがひとつにまとまったのは間違いなくあると思います」と話す。そして「東京オリンピックではベスト８でしたけど、今回パリオリンピックではメダルを狙うので、そういった強いチームにこれからなっていきたい。今回みたいにエジプトだったり、ランキング下のチームに負けていたら、メダルが遠のいてしまうので、そこは課題として見えたので、もう一度気を引き締めて戦っていきたい」と来年の五輪を見据えた。

「今のチームは選手もスタッフもとても素晴らしい。コミュニケーションが取れていますし、ベストなチームだと僕は思っている。来シーズンはメンバーだったりスタッフも変わるかもしれないですが、この強さは絶対に変わらないと思っています。まだまだ強くなれると思っているので、その強さを、皆さんにまた観ていただきたい」

　夢の舞台でのメダルを誓った石川。今回の教訓を活かし、さらに強くなった姿をパリで見せてくれるに違いない。

取材・文●永野祐吏（THE DIGEST編集部）

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