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マラソン・駅伝

日本人2位の吉田礼志にも注文!“大胆改革”で2年ぶり突破も、中央学院大の指揮官は苦悩を明かす【箱根駅伝予選会】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2023.10.14

留学生集団に喰らいついた中央学院大の吉田は、日本人2位でゴールした。写真:滝川敏之

留学生集団に喰らいついた中央学院大の吉田は、日本人2位でゴールした。写真:滝川敏之

 10月14日、立川市にて『第100回 箱根駅伝予選会』が開催された。前回予選敗退の中央学院大は、10時間37分27秒の9位で2年ぶり23回目の本戦出場を決めた。

 15年から5年連続でシード権を獲得するなど、安定した成績を残していた同チーム。だが歯車はどこかで狂ったようで、第97回大会は予選落ち。翌年は予選突破するも本戦で16位と苦し、前回大会は予選12位で姿を消していた。

 川崎勇二監督は「数年前までシード権獲得が当たり前の大学でした。能力的には今のほうが高いと思うんですよ。数年前と何が変わったかと言えば、気持ちですね」と分析したうえで、大胆な改革を行なったという。

「寮長からキャプテン、そして走る選手と、今まで全部学生に決めさせていましたが、練習でやれる、もの言える選手を中心に全部こちらで決めて、この1年間やってきました。だから今回も、力のある選手もたくさんいたんですが、気の弱い選手、ものを言えない選手は外しました」

 選手の気持ちに火をつけるため、自ら嫌われ役を買って出た指揮官は、「常に上のことしか言わないようにしました。下の泣き言も一切聞きません。やっぱりうちは厳しさが足りない。世の中の動きに逆行しているかもしれませんが、ちょっと厳しさを求めて。そうしないと、どんどんどんどん甘くなっていきますし、目標がどんどん下がっていますから」と語る。
 
 そして「やっぱり吉田(礼志)が特別だと思っている。そこがうちの飛躍しきれないところ」と“エース頼み”の現状に頭を悩ませた。さらにこの日、留学生集団に果敢に挑むも、日本人トップの座を20キロ手前で東京農業大のスーパールーキー前田和摩に明け渡した吉田にも注文を付けた。

「あそこで勝ち切れるのが本当の強さだと思います。シード権を獲っている大学の(箱根駅伝)2区を走る選手はあのまま押し切れますので。その辺が、あの子のまだまだ弱いところだと思います」

 シード権復帰のためにチームを立て直す川崎監督。吉田、伊藤秀虎、工藤巧夢の駅伝経験者3人を軸に本戦に臨む。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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